【岩本輝雄】望月は失点に絡んだけど、むしろ可能性を感じた。力強い突破と抜群の高さは大きな魅力。本番を見据えても貴重な人材だよ

2025年09月10日 岩本輝雄

左腕一本ではねのけてクロス。素晴らしかった

望月の攻撃力は良かったと思う。課題の守備は今後、改善していけばいい。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/現地特派)

 メキシコ戦からスタメン全員を入れ替えて挑んだアメリカ戦。日本は0-2で敗戦。メンバーの変更があったから評価は難しいけど、悔しい結果だったね。

 先発で出た選手たちは、アピールの意味もあっただろうし、懸命にプレーしていたと思う。結果を残せなかったとはいえ、個々の持ち味を出そうと奮闘していた。

 そのなかで特に印象的だったのが、右ウイングバックの望月だ。たしかに、最初の失点の場面では、右サイドでアーフステンに振り切られてクロスを許し、これがセンデハスのボレーシュートにつながった。

 失点に絡んだのは事実。守備面の課題を露呈してしまった。でも、それを補って余りあるものを見せられたんじゃないかな。

 攻撃面では、やっぱり彼の推進力は武器になると思う。15分、伊東の横パスに反応してニアゾーンに仕掛ける。相手に厳しく寄せられたけど、左腕一本ではねのけてクロスを入れた。この突破は素晴らしかったね。

 21分には長友のクロスから打点の高いヘディングシュート。これも惜しかった。192センチのサイズを活かした空中戦の強さは、やっぱり魅力だよ。
 
 ワールドカップ本番を考えて、たとえば1-0で勝っている状況で、相手のパワープレーに対抗しなければならない時間帯もあるはず。そこで望月の高さは絶対に頼りになる。その意味でも、貴重な人材だと思う。

 3バックから4バックに変更したあとも、ディフェンス面ではやや物足りなかった。でも逆に言えば、今後に向けて何を強化すべきかが明確になったのは好材料だ。

 何よりも、アメリカを相手に攻撃面であれだけ存在感を見せられたのは大きいし、僕はそこに可能性を感じた。ポテンシャルは十分。ワールドカップ本大会まで、まだ時間はある。さらなる進化を期待したいね。

【著者プロフィール】
岩本輝雄(いわもと・てるお)/1972年5月2日、53歳。神奈川県横浜市出身。現役時代はフジタ/平塚、京都、川崎、V川崎、仙台、名古屋でプレー。仙台時代に決めた"40メートルFK弾"は今も語り草に。元日本代表10番。引退後は解説者や指導者として活躍。「フットボールトラベラー」の肩書で、欧州CLから地元の高校サッカーまで、ジャンル・カテゴリーを問わずフットボールを研究する日々を過ごす。23年に『左利きの会』を発足。

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