『え? それだけ?』と問いたくなる内容
空席が目立つスタジアムで、イングランドはアンドラに2-0で勝利。これで予選4連勝も高い評価を得られていない。(C)Getty Images
イングランド代表は9月6日、W予選でアンドラ代表と対戦し、2-0で勝利した。
だが試合内容はホームゲームながら冴えなかった。圧倒的な力の差があったものの、チャンスを作るのに苦しみ、先制点は25分の相手のオウンゴールによる得点だった。
やや持ち直した後半、67分にクロスボールからデクラン・ライスがヘッドで追加点を挙げた。W杯予選で「無失点の4連勝」と結果を残しているが、これまでのところトーマス・トゥヘル体制は説得力のあるパフォーマンスを見せていない。
今回の9月シリーズでは、怪我によりMFジュード・ベリンガム、MFコール・パーマー、FWブカヨ・サカが招集外となる痛手があった。しかし相手は、FIFAランク174位のアンドラ。176位のネパールらと同格で、スペイン5部に所属する選手らで構成されるアンドラの守備に手を焼いた。
一方、FIFAランクで4位につけるイングランドの目標は、1966年以来となる世界制覇だ。世界最高峰プレミアリーグで選手を構成しているからこそ、英メディアはトゥヘル体制に大きな疑問符をつけた。
英紙『デーリー・テレグラフ』は、「試合終了時、会場のヴィラ・パークの半分が空席。ファンは自身の"足"で厳しい内容を断じた」と見出しをつけ、見どころを欠いたイングランドのパフォーマンスを批判的に伝えた。同紙はこう記す。
「ここまでトゥヘル新監督が描こうとしているチームのアイデンティティが見えにくい。アンドラは、スペイン5部のサン・クリストバルFCやジブラルタル・ナショナルリーグのエウロパに所属する選手で構成されるが、イングランドがネットを揺らしたのは2回だけだ。前半はノニ・マドゥエケのクロスを相手がオウンゴールにし、67分にリース・ジェームズのクロスをデクラン・ライスが頭で押し込んだ。
だが、『え? それだけ?』と問いたくなる内容だった。高レベルのフットボールはほぼなく、観客が目にしたのは実力差による単なる見世物にすぎなかった。イングランドはパスワークに乏しく、思考のスピードも遅かった。ハリー・ケーンもマーカス・ラッシュフォードも輝けなかった。ガレス・サウスゲイト体制で同じようなプレーをしていたら、激しい批判にさらされていただろう。試合が進むにつれてスタンドから観客が帰り出し、終了時にはスタジアムの半分が空席となった」
だが試合内容はホームゲームながら冴えなかった。圧倒的な力の差があったものの、チャンスを作るのに苦しみ、先制点は25分の相手のオウンゴールによる得点だった。
やや持ち直した後半、67分にクロスボールからデクラン・ライスがヘッドで追加点を挙げた。W杯予選で「無失点の4連勝」と結果を残しているが、これまでのところトーマス・トゥヘル体制は説得力のあるパフォーマンスを見せていない。
今回の9月シリーズでは、怪我によりMFジュード・ベリンガム、MFコール・パーマー、FWブカヨ・サカが招集外となる痛手があった。しかし相手は、FIFAランク174位のアンドラ。176位のネパールらと同格で、スペイン5部に所属する選手らで構成されるアンドラの守備に手を焼いた。
一方、FIFAランクで4位につけるイングランドの目標は、1966年以来となる世界制覇だ。世界最高峰プレミアリーグで選手を構成しているからこそ、英メディアはトゥヘル体制に大きな疑問符をつけた。
英紙『デーリー・テレグラフ』は、「試合終了時、会場のヴィラ・パークの半分が空席。ファンは自身の"足"で厳しい内容を断じた」と見出しをつけ、見どころを欠いたイングランドのパフォーマンスを批判的に伝えた。同紙はこう記す。
「ここまでトゥヘル新監督が描こうとしているチームのアイデンティティが見えにくい。アンドラは、スペイン5部のサン・クリストバルFCやジブラルタル・ナショナルリーグのエウロパに所属する選手で構成されるが、イングランドがネットを揺らしたのは2回だけだ。前半はノニ・マドゥエケのクロスを相手がオウンゴールにし、67分にリース・ジェームズのクロスをデクラン・ライスが頭で押し込んだ。
だが、『え? それだけ?』と問いたくなる内容だった。高レベルのフットボールはほぼなく、観客が目にしたのは実力差による単なる見世物にすぎなかった。イングランドはパスワークに乏しく、思考のスピードも遅かった。ハリー・ケーンもマーカス・ラッシュフォードも輝けなかった。ガレス・サウスゲイト体制で同じようなプレーをしていたら、激しい批判にさらされていただろう。試合が進むにつれてスタンドから観客が帰り出し、終了時にはスタジアムの半分が空席となった」
批判的なのは、元アイルランド代表MFで解説者のロイ・キーン氏も一緒だ。力の差があったにもかかわらず、イングランドは消極的なプレーが多かったと指摘する。
「イングランドは古き悪癖が顔を出し、横パスやバックパスばかりだった。高い基準を設定し、良い習慣をつけることが大事なのに、そうなっていない。監督は、不満を抱いたはずだ。クロスボールから決めた2点目のゴールを見れば分かるように、もっとクロスを入れるべき。試合を複雑にする必要はない。パスを後ろに戻しすぎている」
英BBC放送も、就任発表から8か月が経過したトゥヘル体制に懐疑的な論調だった。「勝利はしたが、イングランドはトゥヘルのもとで後退したのか?」とタイトルをつけ、批判的な記事を展開した。
「トゥヘル新監督は、W杯予選で4連勝を飾った。グループKで首位の座をがっちり固め、W杯出場を逃すには壊滅的な大失速が必要だろう。しかし、である。ガレス・サウスゲイトの後任としてトゥヘルが就任した際に約束された"新時代"は、まだ到来していない。
トゥヘルはいまだにイングランドにアイデンティティを植え付けられていない。むしろサウスゲイト前体制がユーロ決勝でスペインに敗れてから、チームは後退していると言える。トゥヘルは『W杯予選で失点ゼロ』の事実に胸を張るだろうが、実情は相手との力の差が顕著で、守備陣の実力が試されたことはほぼない。トゥヘルは『イングランドは前進している』と主張するが、もしそうなら、その歩みはカタツムリ並みに遅い」
「イングランドは古き悪癖が顔を出し、横パスやバックパスばかりだった。高い基準を設定し、良い習慣をつけることが大事なのに、そうなっていない。監督は、不満を抱いたはずだ。クロスボールから決めた2点目のゴールを見れば分かるように、もっとクロスを入れるべき。試合を複雑にする必要はない。パスを後ろに戻しすぎている」
英BBC放送も、就任発表から8か月が経過したトゥヘル体制に懐疑的な論調だった。「勝利はしたが、イングランドはトゥヘルのもとで後退したのか?」とタイトルをつけ、批判的な記事を展開した。
「トゥヘル新監督は、W杯予選で4連勝を飾った。グループKで首位の座をがっちり固め、W杯出場を逃すには壊滅的な大失速が必要だろう。しかし、である。ガレス・サウスゲイトの後任としてトゥヘルが就任した際に約束された"新時代"は、まだ到来していない。
トゥヘルはいまだにイングランドにアイデンティティを植え付けられていない。むしろサウスゲイト前体制がユーロ決勝でスペインに敗れてから、チームは後退していると言える。トゥヘルは『W杯予選で失点ゼロ』の事実に胸を張るだろうが、実情は相手との力の差が顕著で、守備陣の実力が試されたことはほぼない。トゥヘルは『イングランドは前進している』と主張するが、もしそうなら、その歩みはカタツムリ並みに遅い」