【リオ五輪】攻撃のタクトを振るう“マエストロ”大島が描くナイジェリア戦の秘策とは?

2016年08月03日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「守備でも攻撃でも良い距離感を作り出せば、(世界にも)対抗できると思っている」

攻撃のタクトを振るう大島。「オリンピックは参加して終わりじゃない」とメダルへの強い意気込みを見せている。写真JMPA/小倉直樹

 完敗を喫したブラジル戦で後半から出場した大島僚太は、パスをつなぐ潤滑油的な役割を果たし、数少ない光明となった。ブラジル地元紙の採点(10点満点)でも日本で最高の「6.5」評価がついた。もっとも、本人は「手応えはなく、歯が立たなかった印象しかない」と厳しい自己評価を下す。
 
「相手がボールを持った時に顔を上げる時間を与えてしまったり、取りに行った時は抜かれていたので、もう少し早い段階でプレスをかければ自由を奪えたのかなと。身体能力とか、個の部分は敵わないと思いますけど、その分チームがひとつになって、守備でも攻撃でも良い距離感を作り出せば、(世界にも)対抗できると思っています。僕はよりコンパクトにやらないといけないと感じたので、そこは意識しています」
 
 マナウスでの練習2日目となった8月2日、戦術確認では4-3-3が用いられ、大島は左のインサイドハーフに入った。初戦のナイジェリア戦でも同システムを採用する可能性が高く、ボランチよりも一列前になる分、ゴールに直結する働きが求められる。その中で大島が思い描くのは、サイドと背後(中央)の使い分けでメリハリをつけることだ。
 
「(ボールを)奪った時に相手がガーッと来るとして、それだったら前も大事ですけど、サイドで落ち着かせられたらなと。それで相手の目線がサイドに行ったら、ドカンと背後でいいかなって思いました」
 
 ブラジル戦で味わった悔しさは、ナイジェリア戦で勝点3を奪うことで晴らすつもりだ。
 
「初戦で勝点3を取るのが大事。みんながひとつになって、しっかり勝ちたい。オリンピックを戦えるのは光栄ですけど、参加して終わりじゃない。メダルを獲って帰りたいなと強く思っています」
 
 静かに燃える背番号8が、手倉森ジャパンの攻撃を牽引する。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト特派)

【PHOTOギャラリー】高温多湿のマナウスでのトレーニング――二日目
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