「何もできなかった」24年アジア杯から確かな変貌——鈴木彩艶と“半端なかった”上田綺世がメキシコ戦で見せた安定感【日本代表/コラム】

2025年09月07日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2人の活躍は大きな収穫

メキシコ戦で好パフォーマンスを見せたGK鈴木。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/現地特派)

 現地時間9月6日、日本代表がメキシコ代表と0−0で引き分けた。立ち上がりからプレスがハマりシュートチャンスもあっただけに勝てなかったのは悔しいが、当然ながらポジティブな点もあった。

 そのひとつが、上田綺世の力強いポストプレーだ。ハイプレスでも貢献したこのCFは仕掛けや崩しの局面でボールを収めると、そこでキープのみならず、クルッと前を向いて攻撃を加速させる。下半身の安定感は半端なく、確かな強さを示したのが50分のシーンだった。

 そんな上田はメキシコ戦でゴールこそなかったが、CFのファーストチョイスであることをはっきりと印象付けたのではないか。来年のワールドカップ本大会、CFの出来次第で森保ジャパンの結果は大きく変わってくるはず。その点で、メキシコ戦での上田のパフォーマンスは明るい材料に映った。
 
 半端なかったのはGKの鈴木彩艶も同じだ。2024年のアジアカップでは「何もできなかった大会」と本人が反省したように、ミスが目立ち批判される試合も多かった。しかし、それから1年半の時を経て変貌。メキシコ戦では極上の安定感を見せつけた。

 さすがは昨季のセリエA・パルマでリーグ37試合に出場し、確かな存在感を示しただけのことはある。慣れないメンバーの3バックを最後尾から仕切った点も、メキシコ戦では素晴らしかった。

 CFの上田とGKの鈴木。チームの骨格を形成するセンターライン、その中でも重要なCFとGKが安定感をもたらしたのは来年の本大会に向けて大きな収穫だった。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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