「彼のクオリティに感謝したい」マンC相手に決勝アシストの三笘薫が同僚に賛辞。今季初勝利に本音も「勝ちなしでナショナルブレイクは厳しかった」

2025年09月03日 松澤浩三

「マンCということも含めて大きな勝利だと思います」

今季初アシストで決勝点をお膳立てした三笘。(C)Getty Images

 三笘薫のブライトンが開幕から3戦目のマンチェスター・シティ戦で、今季リーグ戦初勝利を手にした。決勝ゴールをアシストした三笘は「初勝利ですし、(相手が)マンCということも含めて大きな勝利だと思います」と声を弾ませた。

 本拠地のアメックススタジアムにマンCを迎えたこの試合。19分には、FWダニー・ウェルベックのパスに反応した三笘が中央にダイアゴナルに走り込み、ペナルティーエリアすぐ外から右足で強烈なミドルシュート。相手のGKジェームズ・トラフォードのファインセーブに阻まれてゴールにはならず、「オフサイドかなと思いましたけど、角度的にちょっと難しかったですね」と振り返った。

 前半その後のブライトンはまるで見せ場を作れず、逆に同34分に敵のFWアーリング・ハーランドに先制を許してハーフタイムを迎えた。後半は両チームともに決定機をつくることができず、スタジアムを訪れたシーガルズサポーターには、その点差以上にあきらめムードが漂っていた。

 しかし60~61分にかけて、ファビアン・ヒュルツェラー監督が動く。カルロス・バレバ、ディエゴ・ゴメス、ジャック・ヒンシェルウッド、ウェルベックをベンチに下げ、ジョルジニオ・リュテール、ジェームズ・ミルナー、ブラヤン・グルダ、ヤシン・アヤリをピッチに送り込んだのである。

 突然の"クアドルプルチェンジ"は、試合の潮目を大きくブライトンサイドに傾かせることになる。新加入選手が多いからなのか、ペップ・グアルディオラ監督の求心力が低下しているのかは分からないが、この交代により、現時点でチームとしての機能性が明らかに欠落しているシティイレブンを困惑させることに成功する。
 
 直後の62分には、カウンターから三笘がドリブルで運んでミンテへのスルーパス。左足での強烈なシュートはGKに弾かれたものの、ホームのブライトンファンのボリュームが急上昇する。

 そして3分後にブライトンが敵陣右サイドでフリーキックを獲得。ファーサイドで待っていたルイス・ダンクのシュートがDFのマテウス・ヌニェスの腕に当たりPKとなり、これをミルナーが落ち着いて決めて同点に追いつく。その後、押せ押せとなったシーガルズの前に、再び決定機が訪れたのは試合終了間際だった。

 89分、ハーフウェーライン付近で味方がパスカットしたボールを、リュテールがポストプレーで三笘へとつなぐ。日本代表は、このボールを左足でダイレクトでスルーパス。そこへ抜け出したグルダが巧みなドリブルでDFラヤン・アイト=ヌーリ、さらにGKをかわし、落ち着いてゴールに流し込んで試合を決めた。

 アシストの場面について三笘は、「もうスペースが見えてたんで、大きく過ぎないようにパスしましたけど、思ったより流れたんで彼のクオリティに感謝したいと思います」と21歳の同僚を称えた。
 

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