【韓国メディアの視点】ブラジルに完敗した手倉森ジャパンを辛口評価。「リオ五輪前最後の模擬試験で不合格の判定」

2016年08月01日 慎武宏

「ブラジルに圧倒されてかなりの心理的ダメージを受けたように見える」(WEB版『ベストイレブン』)

開催国ブラジルとのテストマッチで完敗した手倉森ジャパン。格の違いを見せられての敗戦に、韓国メディアのなかには「心理的ダメージを受けたように見える」と指摘する記事もあった。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 リオ五輪開幕を間近に控えオリンピック・モードが高まる韓国でも、手倉森ジャパンの近況は報じられている。もちろん、7月31日に行なわれたブラジル代表との試合結果も各メディアが報じた。
 
 もっとも、記事の主語になっているのは、日本ではなくブラジルのほうだ。「リオ五輪開幕控えたブラジルサッカー、日本に2対0の勝利」(一般紙『国民日報』)、「ブラジルサッカー、親善試合で日本を2-0で制圧」(テレビ局『SBSニュース』)、「"ネイマール、フルタイム出場"、ブラジル五輪代表、日本に完勝」(ネットメディア『イーデイリー』)と、ブラジルやネイマールの出来にフォーカスを合わせた記事が多かった。
 
 そんななかでも、手倉森ジャパンについて触れているところもある。例えば、ネットメディアの『MKスポーツ』だ。同メディアは「日本、ブラジルとの五輪評価戦で0-2の敗北」と題した記事のなかで、手倉森ジャパンをこう評している。
 
「日本のオリンピックサッカー代表が、リオ五輪開催国のブラジルとの本大会最後の模擬試験で不合格の判定を受けた」
 
 サッカー専門誌『ベストイレブン』のWEB版は、より詳細に報じている。同メディアは「日本、ブラジルに0-2の完敗、前半にシュート1本さえも放てなかった」というタイトルの記事の中で、「一方的に押された前半、ボール占有率はわずか29パーセントでシュートを1本も放てないほど劣勢だった」とした後、日本のメディアでも報じられた手倉森監督や遠藤航のコメントを紹介しながらこう分析している。
 
「日本もブラジルも単純なウォーミングアップに過ぎない試合だったが、ブラジルに圧倒されてかなりの心理的ダメージを受けたように見える。8月5日にもうひとつの優勝候補ナイジェリアと対戦予定だが、大会直前に行なった最後の親善試合で今回のように無気力な姿で負けたことは、さまざまな側面で否定的な影響を及ぼしかねない」
 
『ベストイレブン』は久保裕也の五輪派遣問題にも言及し、「久保が合流できたとしても、時間を浪費してしまったためにチームにどれほどのプラスになれるか疑問が残る」との見解を示している。久保とJFAが直面している状況を引き合いに出しながら、オーバーエイジとして韓国のリオ五輪メンバーに招集されたソン・フンミン(トッテナム)に関しても合流するまで油断できないとも付け加えていた。
 

次ページ五輪前最後のテストマッチで、対照的な結果となった日本と韓国。本番で最初に笑うのは…。

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