【ブラジル戦・監督会見】指揮官は強豪のしたたかさ実感。「給水タイムの“心の隙”突かれた」

2016年07月31日 サッカーダイジェスト編集部

「日本は給水タイムでホッとした。ブラジルはパワーアップした」

日本は給水タイム直後のプレーでバルボサに中央突破からシュートを叩き込まれた。“心の隙”を突かれた形だ。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

[国際親善試合]U-23日本 0-2 U-23ブラジル 現地7月30日/ブラジル・ゴイアニア
 
 試合直後の「鍛えられましたね」という指揮官の言葉に実感がこもっていた。スコア以上の完敗だ。試合後の記者会見で、手倉森監督はまずブラジルとのマッチメークの意図とその収穫から話した。

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「この大会を耐えて勝つというイメージを持つ時に、その習慣を持てればいいと思ってマッチメークしたなかで、実際に90分間辛抱させられた。五輪本大会もきれいにうまく勝てるわけがない。我々日本には耐えて勝つしか方法がないなかで、まずこうして90分間(優勝候補の相手と)やれたことで、そういった部分が整って本大会に入れると思っている。優勝候補のブラジルと大会前に試合ができたことは、それは本当に収穫。結果はオリンピックで出したい」
 
 前半は立ち上がりからボールを支配されたものの、"耐える"戦い方はある程度できていた。GK中村のビッグセーブなどで粘り強く凌いでいたが、先制点は「心の隙」をしたたかに突かれた。
 
「あの給水タイムの時に、一気にギアを変えてくるあたりが、実は強豪国のしたたかさ。おそらく日本はずっとボールを動かされて、給水タイムでほっとした。ブラジルは給水タイムでさらにパワーアップした。あれくらいの察知力があるということを、大会前に思い知らされた。ああいった"心の隙"を突かれて、耐えて勝つ準備をしながら、ああいうところでやられるようなことが本大会ではあってはいけない。プレーを切るという、最低でもそれができないといけない」
 
 指揮官の口から何度も聞かれる"耐えて勝つ"という言葉。しかし、耐えてばかりでは勝つことはできないだろう。耐えて守った先には、どんなイメージを持って逆襲に転じるのか?
 
「何度かボールを拾えた時に、しっかりアタッキングサードまで入る回数とクオリティを高めないといけない。辛抱強く守った後は、攻撃のための守備なんだと少し頭を切り替える必要がある。今日はブラジルのいなしに揺さぶられて、ボールを奪った後にホッとしてしまった」
 
 実際、ボールを奪った後に素早く縦に展開するシーンは限られた。パスコースを探すうちに、ブラジルの素早いプレスバックの餌食になるシーンが目立った。
 
「攻め込まれている時間が長い時は、取ってすぐパスを考えている。後ろに重心を置かされた時。それで前の選手がすぐパスコースを探そうとしたので、ドリブルでスペースへ運べという話をした」
 
"耐えて勝つ"には、やるべきことはハッキリとしている。一瞬の心の隙をも突いてくる強豪の「したたかさ」を堅守で封じ込め、ボールを奪って素早く反撃に転じる――。五輪本番の結果は、残り数日でその精度をいかに高められるかにかかっている。
 
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