「間違いなく20点以上取れる」NEC小川航基がいきなり“技ありバイシクル弾”など2発発進!「あの選択ができたのが調子の良さなんです」と実感【現地発】

2025年08月10日 中田徹

「スタートからすごく調子が良い。今日も取るべくして点を取れた」

開幕戦で2ゴールと気を吐いた小川がサポーターの喝采を浴びる。エースの面目躍如だ。(C)Getty Images

 今季開幕戦で小川航基(NEC)が鮮やかに2ゴールを決めて、エクセルシオール戦の5-0の勝利に貢献。77分にスタンディングオベーションを浴びてベンチに下がった背番号18は、マン・オブ・ザ・マッチに輝いた。

「今シーズンはスタートからすごく調子が良い。プレシーズンでは毎試合のようにゴールを決めていた。8得点くらいしたかな。今日も必然的に、取るべくして点を取ることができた」

 NECが1-0のリードで迎えた52分、ブライン・リンセンがつないだボールは、小川にとってゴールから遠ざかるような浮き球に。小川は本能で中に舞いながらバイシクルシュートを放ち、シーズン初ゴールを決めた。

「あの選択ができたのが調子の良さなんだと思います。ボールが浮いたときに『ねじ込んでやろう』と身体が勝手に動いた気がします。ああいうシュートは今まで無かった」

 7分後には左からのクロスを、ゴール正面でドンピシャのヘッドで3-0にした。

「あれが俺のいいところ。前線でボールをはたいて、(佐野)航大がサイドに展開して、(クロスを上げる)味方のプレーをよく知ったうえで、あまり早く入りすぎず、いいタイミングでゴール前に入っていった」

 昨季は肩を脱臼して開幕から躓いたが11月頃から調子を一気に上げ、NECでも日本代表でも活躍した。しかし2月、3月、5月とハムストリングを立て続けに傷めてしまい、シーズン7ゴールに留まった。そんな怪我に苦労した昨シーズンを終えた小川は、オフシーズンをどう過ごしたのか。

「昨シーズンは本当に苦しんだので、いろんなことを考えました。まずはオフシーズンにしっかり休むこと。どうしても代表でプレーしたいじゃないですか。だけどNECでプレーできなければ代表には呼ばれない。どうしてもプレーしたいから、もしかしたらちょっと早くピッチに復帰してしまっていたのかも。そのぶん、何回も繰り返してしまったかもしれない。オフで1か月、しっかり身体を休めたのがシーズンスタートに向けて良かった」
 
 怪我から学んだことは?

「筋肉系の怪我は自分にとって初めての経験だった。そこまで経験がなかったのが正直なところ。自分のフィーリングで『行ける、行ける』という感じでやるんではなく、もうちょっと怪我のことについて考えないといけない。今思い返すと、しっかりと治さないといけなかったんじゃないか。

 今シーズンが本当に楽しみです。さっき、オランダ人の記者たちとのインタビューでも言ったんですけれど、東京オリンピックの1年前、所属チームで出場機会を失って、僕はオリンピック代表に呼ばれなくなってしまったんです。来年、ワールドカップがあるじゃないですか。東京オリンピックの悔しい経験から、このシーズンはしっかり成長して、試合に出て活躍しないといけない」

 この日体調不良で欠場したが、NECには塩貝健人というレギュラー候補のストライカーがいる。

「間違いなく健人は良いストライカー。彼は間違いなく良いストライカーになる。僕も良きライバルとして彼からもしっかり吸収して成長していきたい」

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