「ここからかなって感じです」ブライトン三笘薫がPSMで先発。今夏の動向は?“残留決断”報道も地元記者は「事実ではない」と否定【現地発】

2025年08月04日 田嶋コウスケ

ほどよく日焼けし、さらに精悍な顔つきに

サウサンプトン戦で先発した三笘。試合は2-2で引き分けた。(C)Getty Images

 バイエルン・ミュンヘンやリバプール、アーセナルなど複数のビッグクラブが関心を示したと報じられ、今夏の移籍市場で注目を集める三笘薫。その一方で、8月2日に行なわれたサウサンプトンとの練習試合でブライトンの左ウイングで先発し、着実に新シーズンへの準備を進めている。試合後の取材対応では目標に向けて決意を口にし、「怪我をしないことが大事」と冷静な自己分析も交えた。プレミア挑戦4年目の開幕を目前に控え、三笘は何を語ったか。

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 日本代表MFの三笘が、ブライトンサポーターの前に戻ってきた。

 敵地セントメアリーズ・スタジアムで行なわれたトレーニングマッチのサウサンプトン戦。ブライトンにとって今季初めて観客を入れて実施された試合で、三笘は4-3-3の左ウイングで先発した。昨季のリーグ最終節・トッテナム戦(5月25日)以来、約2か月ぶりに現地のサポーターの前で姿を見せたのである。

 もっとも、今夏は移籍報道に揺れた。

 昨シーズンの終了間際には、ドイツの強豪バイエルンが「三笘に興味」と伝えられた。リバプールのアルネ・スロット監督も5月のブライトン戦後に「三笘のような素晴らしい選手が後半の途中にベンチから出てくる。これがプレミアリーグの凄まじいところ」と語り、遠回しではあるものの、その能力を高く評価していた。

 シーズンオフに入ってからも、英メディアでは「Mitoma」の名前が頻繁に報じられていた。

 移籍先の候補として報じられたのは、バイエルンやリバプールのほか、アーセナル、チェルシー、マンチェスター・シティ、トッテナムといった強豪クラブだった。しかし現時点では、具体的なオファーや交渉の進展は確認されていない。

 移籍というのは、「契約書にサインするまで何が起こるか分からない」とよく言われる。獲得を希望するクラブが「興味や関心」を持ったとしても、移籍金の金額や選手本人の希望など、様々な条件について、売却側のクラブ、獲得側のクラブ、選手本人の三者が合意しなければならない。
 
 実際、バイエルンについては、6月下旬の時点で「三笘を補強リストから外した」と報じられた。ドイツの強豪が左サイドMFとして獲得したのは、リバプールのルイス・ディアス。バイエルン加入の可能性はほぼ消滅したと見られる。

 一方で、三笘とブライトンの契約は、2027年の夏まで残されている。移籍が成立しなければ、今シーズンも引き続きブライトンでプレーすることになる。プレミアリーグの今夏の移籍市場は9月1日まで開かれており、今後、交渉が進展する可能性もあるが、事実として、三笘は新シーズン開幕に向け、ブライトンの一員として再スタートを切った。

 今回のサウサンプトン戦に先立ち、ブライトンは約10日間にわたるスペイン合宿を行なった。三笘もほどよく日焼けし、さらに精悍な顔つきになっていた。

 オフを経て、チームの顔ぶれも変わった。FWジョアン・ペドロ(→チェルシー)と左SBのペルビス・エストゥピニャン(→ミラン)、ウインガーのシモン・アディングラ(→サンダーランド)が退団。現時点の新戦力は、FWチャラランポス・コストゥラス、左SBのマキシム・デ・カイペル、CBディエゴ・コッポラ、アタッカーのトム・ワトソンといった面々だ。サウサンプトン戦では左SBのデ・カイペルが先発し、同サイドで三笘とコンビを組んだ。

 試合開始から三笘は積極的に仕掛けた。19分には最終ラインからのロングパスに反応してシュート、24分にもカットインから右足でシュートと攻撃を続けたが、いずれも枠に飛ばない。32分にはヤンクバ・ミンテのパスから決定機を迎えたものの、パスのタイミングが合わずゴールできなかった。

 後半に入るとチーム全体の動きが鈍くなり、2点リードからサウサンプトンに追いつかれた。試合は最終的に2-2の引き分けで終了した。

 ただ今回の試合はあくまで調整の一環であり、過度に心配する必要はないだろう。2週間後に控えるプレミアリーグ開幕に向け、急ピッチでコンディションを上げていくはずだ。
 

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