フランス2部で「圧倒的な結果を残さないと」。“小さい頃からの夢”W杯出場へ。関根大輝は前へ前へと突き進むしかない

2025年07月31日 元川悦子

新たなタスクを前向きに受け止める

柏戦は後半のスタートから出場した関根。“偽SB”にもチャレンジした。写真:鈴木颯太朗

 2024-25シーズンのリーグ・アンで16位に沈み、1部参入プレーオフでメスに敗れて、8シーズンぶりの2部降格を余儀なくされたスタッド・ドゥ・ランス。このクラブに今年1月に完全移籍したばかりの関根大輝は、チーム残留の可能性が極めて高い。

「2部だから、来年のワールドカップ(出場)は厳しいという声もありますし、それは自分も一番分かっていること。でも、ワールドカップは小さい頃からの夢ですし、チャンスがあるからには諦めちゃいけない。活躍すれば絶対チャンスはあると思う。

 2部になったらメディアの露出も減るだろうし、圧倒的な結果を残さないと、日本にもニュースが届かないと思うので、そこは個人的にすごく意識して、結果にこだわってやっていきたいと思います」

 7月30日に行なわれた古巣・柏レイソルとの親善試合後、関根は改めて語気を強めていた。

 この試合でS・ランスは、前半のうちに小屋松知哉のゴールで失点。ビハインドを背負った状態で、後半から伊東純也と関根の2人が登場。巻き返しを図ろうとした。だが、伊東は足首の負傷の影響でギアが上がらず、関根は瀬川祐輔の2点目につながるジエゴの突破を許してしまった。
 
 関根は右SBからボランチにポジションを変えながら、ビルドアップに加わる"偽SB"的な動きにチャレンジ。プレーの幅を広げようとしていたが、8月11日のリーグ開幕・アミアン戦までに、コンディションを引き上げないといけないのは確かだ。

「シーズンインして2週間半から3週間くらいで、今の状態は5~6割。ゲームをやらないと身につかない体力も、試合をこなしていくうちについてくると思います。

(カレル・ヘラールツ)監督からは、中に入って組み立てる部分を求められていて、意識してプレーしていますけど、もうちょっと有効なところに立てるし、ボールを引き出せると思う。感覚的には(7月27日のモンテディオ)山形戦に比べると、ボールを引き出せた感覚はありました」と、本人も新たなタスクを前向きに受け止めている。

 本職の右SBのみならず、右ウイングバック、センターバック、ボランチと多彩なポジションをこなせるようになれば、日本代表に定着する可能性も確実に上がってくる。今季の関根はマルチな能力に磨きをかけることが重要だ。
 

次ページ「一瞬一瞬に賭けてプレーしないと」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事