E-1選手権の森保Jメンバーで、欧州組との共演を見たい選手は? フル代表に食い込める“異能”のタレントたち

2025年07月23日 河治良幸

安藤智哉は矢印を前に向けるトリガーになりうる

E-1選手権では得点王とMVPの個人二冠を獲得したジャーメイン。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部/現地特派)

 国内組だけでE-1選手権に挑んだ日本代表は、3戦全勝で見事に大会連覇を飾った。

 ここからフルメンバーの森保ジャパンに招集されて、欧州組と共演したら面白い選手は誰か。また、2022年のE-1選手権での活躍からカタール・ワールドカップのメンバー入りを果たした相馬勇紀や町野修斗のように、来年に迫った北中米W杯の日本代表に選ばれる選手が出てくるのか。

 W杯予選から継続的に招集されている長友佑都と大迫敬介、前回のE-1選手権MVPでカタールW杯のメンバーでもある相馬を対象外に、3人を厳選した。

 まず1人目はアビスパ福岡の安藤智哉だ。190センチのサイズに加えて、空中戦と地上戦の両方で、デュエルの強さを発揮する。前から積極的にボールを奪いにいく守備は3バックでの起用にピッタリだ。E-1選手権では右CBだったが、左側でもプレーできる。ビルドアップにも特長があり、長短のパスだけでなく、前にスペースがあればどんどん持ち上がってチャンスの起点にもなれる。そこからゴール前のフィニッシュに関わることも可能だ。

 森保ジャパンの3バックは可変性が高いシステムだが、試合の状況によっては後ろに重たくなりやすい。安藤の前向きな守備と攻撃参加はチームの矢印を前に向けるトリガーになりうる。ヘディングの強さを活かしたセットプレーの得点力も欧州組の主力に勝るとも劣らない。J3からの叩き上げであり、日の丸をつけるのは2018年に、U-19日本代表に選ばれて以来だったが、全く物おじすることなく特長を発揮しており、メンタリティの部分も問題なさそうだ。
 
 続いて、2人目はサンフレッチェ広島のジャーメイン良。香港戦(6-1)で4得点、韓国戦(1-0)で決勝ゴールをあげて、得点王とMVPの個人二冠を獲得した。代表デビューが30歳という"オールドルーキー"ではあるが、ストライカーとして明確な結果を出したという意味でも、どこかで1度は招集されるべき選手の1人だろう。特に9月は毎回、欧州組が新天地で序列が上がっていなかったり、コンディションが整わない選手が多く、森保一監督も頭を悩ませることが少なくない。そこで空いたFWの枠に収まる形で、チャンスをもらってもおかしくない。

 また、注目したいのが、今回は垣田裕暉(柏レイソル)とのコンビが見事にハマる形で爆発的な得点力を発揮したことで、上田綺世や小川航基などの良質なFW陣と組むことで相乗効果を発揮し、さらに決定力が開花する可能性もある。182センチの上背はあるが、背後に抜け出す動きが上手く、走りながらクロスに飛び込んで合わせるヘッドも得意としている。大会後は広島でもE-1と同じシャドーのポジションで起用されており、AFCチャンピオンズリーグ・エリートという国際舞台を経験できることも国内組の中ではアドバンテージがある。
 

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