1失点で済んだのは幸運。なでしこジャパンが露呈した“即席感”と韓国に劣った執着心【E-1/コラム】

2025年07月13日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

複数の課題を残す

なでしこジャパンは韓国に大苦戦。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部/現地特派)

 「よく引き分けたな」。それが終わった直後の正直な感想だった。

 2025年7月13日、E-1選手権を戦うなでしこジャパンが韓国女子代表と1−1で引き分けた。37分に成宮唯のゴールで先制するまでは良かったが、選手一人ひとりの動きが鈍くなった後半は攻め込まれる時間帯が多く、しかも決定機を何本も作られるなど大苦戦。即席チーム感を露呈してしまった印象だ。

 韓国の速攻に対してマークがややルーズで、簡単に裏を取られる場面も一度や2度ではなかった。実際、ゴールポストに助けられたピンチもあるなど、1失点で済んだのは幸運だった。韓国の決定力不足に助けられたと、そんな言い方もできるだろう。

 流れが悪くなった後半、チームとしてどう戦うのか。攻めるのか、守るのか、そのあたりが見えにくかったのは課題だ。事実、前線から最後尾まで間延びしていて、意思統一みたいなものは感じられなかった。
 
 よりチームとして機能していたのは韓国で、だからこそ「よく引き分けたな」と思ったのである。セカンドボールへの寄せ、球際での競り合いでも日本は劣勢を強いられた印象があり、複数の課題を残すゲームとなった。

 準備期間が短く、選手間の連係も不十分なまま試合に臨んでいる面はあるものの、それが果たして言い訳になるだろうか。コンビネーション云々よりも、この日気になったのはボールへの執着心が韓国を下回っていたように映った点だ。

 たかが一歩、されど一歩。その差が勝敗に大きく影響する事実を、なでしこジャパンのメンバーは痛感したのではないだろうか。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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