「一味違うところを見せたい」完全復活を期す日本代表FWが“オランダ3年目”へ気合十分!「どこまでやれるのか。自分に期待しているところもある」【現地直撃】

2025年07月13日 中田徹

カイザー・チーフス戦では塩貝のパスから決勝点をゲット

日焼けした姿が眩しい小川。コンディションの良さを窺わせる。写真:中田徹

 オランダデビューイヤーの2023−24シーズン、小川航基はリーグ戦11ゴール、カップ戦4ゴールを叩き出す活躍を披露したことで、日本代表復帰を果たした。24年6月6日のミャンマー戦で2ゴールを挙げたのを皮切りに、昨年の小川はワールドカップ・アジア予選で6ゴールをマーク。若い頃は負傷に泣き、なかなか代表から声がかからなかった未完の大器の本領発揮に、彼を応援し続けてきたファンは歓喜した。

 オランダリーグ、2024年最後の試合を終えると、小川はこう語った。

「本当に遠回りしてしまいましたが、ようやくスタートラインに立てた年でした。『やっとか。ここまで遅かったな。やっとここまで来たかよ、お前』というような見方をする人がたくさんいると思う。僕もそう。来年が勝負の年になると思います」

 年明け初戦のズウォーレ戦でゴールを決めるなど、小川の2025年スタートは悪くはなかった。しかし2度ハムストリングの負傷を負ったことで、長期欠場を余儀なくされる。3月、4月のワールドカップ・アジア最終予選に小川の姿はなく、NECでのスタッツもリーグ戦7ゴール、カップ戦2ゴールに終わった――。

 オランダ3年目の25−26シーズン開幕に向けて、小川は並々ならぬ気持ちでプレシーズンに挑んでいる。7月12日のNEC対カイザー・チーフス(南アフリカ)戦では66分からピッチに立ち、後半頭からプレーした塩貝健人と2トップを組んだ。そして71分、塩貝のパスをペナルティーエリアすぐ外、左45度の位置で受けた小川は、迷うことなく左足を一閃すると、シュートがゴール右隅に吸い込まれていった。

「あそこは迷わず振り抜いて良かったです」
 
 クロスを高い打点のヘッドで折り返して味方に絶好機をお膳立てしたり、守備ではしっかり自陣まで走って相手のシュートをブロックしたり、小川のコンディションは良さそうだ。

「コンディションは悪くないです。スタートからいいコンディションで入れているので、あとは怪我しないようにしたい。チームのトレーニングが始まって2週間半くらい経ちましたけれど、油断せずに、もっとコンディションを上げていきたいです」

 小川のゴール、新加入のGKクレタスの活躍もあり、NECは1-0でカイザー・チーフスを下した。

 ロッテ戦(2-1)、NECアマチュア戦(27―0)で45分間ずつ出場した小川は、プレシーズン3試合で114分間プレーをこなした。

「昨日(のNECアマチュア戦)はちょっとあれでした(=参考にならない)。(ロッテ戦、カイザー・チーフス戦は)まだチームとしてうまくいってないところがあると感じます。新しい選手がまた来ると思いますし、ある程度、相手が強いところとやり出して、新しい監督がどういうふうにやっていくか。攻撃的なサッカーというのが見て取れるので、そこは自分にとっていいことだと思います。前からどんどんプレスを掛けていくスタイルなので、僕もしっかりプレスを掛けていきたい」

次ページ「コンディションを上げていって“代表”に入っていきたい」

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