2025年７月12日、E-１選手権を戦う日本代表が中国代表を２−０と撃破。完封勝利の立役者のひとりが、この試合で堂々の代表デビューを飾ったGKの早川友基だ。

　１−０で迎えた17分、中国のジャン・ユーニンと１対１になった場面で超ファインセーブ。相手の至近距離からのシュートを抜群の反応で止めていなければ、その後の試合展開はどうなっていたかという意味で、値千金だった。

　また、52分にも相手のシュートを好セーブ。クロスやCKでの対応も素晴らしく、ミスらしいミスがなかった。ポジショニングが秀逸で、どっしりと構えたスタンスで敵にプレッシャーをかけている。そうやって威圧感を醸し出すのはGKとして重要で、その点でも早川の存在感を示した。

　そして確かな足技である。48分、最後尾からセンターサークル付近の細谷真大に痺れる縦パスを入れれば、２−０で迎えた65分に突進してくる相手のプレッシャーをさらりと跳ね除けて長友佑都にボールを預ける。代表デビュー戦とは思えない落ち着きで華麗なボール捌きを披露した。

　総合力の高さを示した早川は今後、日本代表GKの序列争いを激化させるかもしれない。現在不動の一番手は鈴木彩艶だが、２番手以降は流動的。北中米ワールドカップのアジア最終予選でコンスタントに選ばれていた大迫敬介と谷晃生はまだ決め手に欠けており、谷については先のオーストラリア戦で看過できないミスをしている。

　谷に代わって９月の代表活動では早川がピックアップされると、そんな予想もできるだろう。実際、E-１選手権での活躍をきっかけにワールドカップ本大会のメンバーに名を連ねる選手はいただけに、早川がここから序列を上げたとしても不思議はない。

　とにかく、早川が強豪国相手にどこまでできるかを見てみたい。

文●白鳥和洋（サッカーダイジェストTV編集長）
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