離脱、離脱、離脱の嵐。日本代表・高井幸大ら人材流出が止まらないJリーグの未来は? 託された役割とは…【コラム】

2025年07月06日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

Jの価値はどこにある?

サポーターに手を振って別れを告げる高井。Jリーグからまたひとり、才能が世界へと羽ばたく。(C)SOCCER DIGEST

 離脱、離脱、離脱の嵐だ。

 高井幸大(川崎フロンターレ→トッテナムへ加入内定)、野澤大志ブランドン(FC東京→ロイヤル・アントワープ)をはじめ、海外への人材流出が止まらないJリーグ。果たして、この流れは今後どう進んでいくのか。

 そんな不安を抱くファン・サポーターがもしかしたらいるかもしれない。日本代表クラスのタレントが海外に新天地を求め、Jリーグが競争力を失ってしまう側面は確かにある。ただ、一方で"出戻り組"が新たな話題を提供している点は見逃せない。

 今季で言えば、室屋成(ハノーファー→FC東京)、小川諒也(シント=トロイデン→鹿島アントラーズ)、安部柊斗(RWDモレンベーク→ガンバ大阪)などが復帰組で、例えば室屋はFC東京で早くも大きな存在感を示している。そんな彼らの活躍が新たなトピックスとしてメディアに取り上げられるのは、Jリーグにとって非常にポジティブだ。

 それでもプレーのスピード感、スキルなどに物足りなさを感じているファン・サポーターはいるだろう。理解して欲しいのは、そもそも現在のJリーグは世界から見れば"その他リーグのひとつ"である点。当然ながらイングランドのプレミアリーグ、スペインのラ・リーガ、ドイツのブンデスリーガ、イタリアのセリエAと同列ではなく、"ステップアップリーグ"という位置付けが正しいはずだ。
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 優秀な人材はどんどん引き抜かれるわけで、ここからJリーグに正真正銘のビッグクラブ(資金力、タイトルの数、ファン・サポーターの数などを含め総合力が高いという意味での)が誕生するのは難しいのではないか。過去5年に限れば、川崎フロンターレがそうなる可能性があった。三笘薫、守田英正、田中碧、谷口彰悟ら擁した2020年のチームは「J史上最強」とも評されたが、そんな川崎も主力の相次ぐ海外挑戦もあって徐々に競争力を失った印象だ。

 日本代表のコアメンバーが全て海外組という事実からも、Jリーガーが欧州に新天地を求めるのは必然。この流れは今後も変わらない。人材流出は今まで以上に活発になるだろうし、Jリーグを経由せずいきなり海外というケースもきっと増えるはずだ。

 それでもJリーグにはJリーグの魅力があるだろう。スタジアムに行けば選手、熱狂的なファン・サポーターが非日常の空間を作り出してくれる。クラブの資金力などを考えれば、Jリーグが世界最高峰のリーグになる確率は現時点で極めて難しいだろう。だからといって、「Jリーグは観るに値しない」とはならない。

 ステップアップリーグにはステップアップリーグの役割・使命がある。そういう視点でJリーグを観戦するのも悪くない。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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