【リオ五輪】柏戦で微妙だった中島。エースナンバーを背負うリオ五輪は大丈夫?

2016年07月20日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

リオ五輪で活躍できるかどうかは…。

第2ステージ4節の柏戦で、今季J1初先発を飾った中島。決定的な仕事は残念ながらできなかったが、リオ五輪では活躍を期待したい。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 リオ五輪代表の中島翔哉が、7月17日の柏戦で先発出場。今季のJ1で初めてスターティングメンバーに名を連ねた。ポジションは4-4-2システムの左サイドハーフだったが、72分に交代するまで決定的な仕事ができたかと言えばそうではない。
 
 見せ場らしい見せ場は、前半途中にエリア内でシュートを打ったシーンのみ。その唯一の見せ場でも右足で捉えたボールを枠内に飛ばせなかった中島の出来は、ひと言で微妙だった。
 
 攻→守への切り替えがそこまで早くなく、守備時のポジションはやや中途半端。攻撃の局面では時折鋭いパスを出すものの、大きな違いは作り出せていなかった。
 
 そこで浮かび上がるのが、「リオ五輪は大丈夫?」という懸念だ。足の怪我もあり、クラブで満足にプレーできていない今季の中島は、リオ五輪代表の不安要素になるかもしれない、と。
 
 ただ、柏戦ではエクスキューズが付いた。2トップの一角であるはずのムリキが何度も中盤に下がってゲームメーカー的な役割までこなそうとしていたため、中島が中盤でボールを持つ回数は限られたのだ。出し手がムリキで、受け手が中島という関係性ではどうも迫力に欠けた。やはり、中島はボールを持ってこそ輝くアタッカーだ。
 
 実際、U-23南アフリカ代表との親善試合ではよくボールに絡んでチャンスを演出。久しぶりの代表戦だというのに複数のゴールに絡んで存在感をアピールした。
 
 中島がリオ五輪で活躍できるかどうかは、ボールに絡む回数をどれだけ増やすか。ナイジェリア、コロンビア、スウェーデン相手に劣勢が予想されるグループリーグでは守備のタスクをこなしつつ、守→攻の切り替えの局面で顔を出してパスを受けられるかがポイントのひとつになるだろう。
 
 アジア予選よりも深い位置から攻撃を組み立てるシーンが増えるだろう本大会は、切り替えの局面でのプレーが勝負を分けそうだ。果たして、10番を背負う中島はそのエースナンバーに相応しい働きができるのか。柏戦での懸念をブラジルの地で吹き飛ばしたもらいたい。
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