【リオ五輪】中村航輔に期待される“いつもどおり”のビッグセーブ。安定感の秘密はそのスタンスにあり

2016年07月18日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

勝った試合の後でも、負けた試合の後でも変わらない。

FC東京戦でも好パフォーマンスを披露した中村(23番)。ムリキ(11番)のシュートに対し、ビッグセーブを連発した。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

[J1第2ステージ4節]FC東京0-1柏/7月17日/味スタ
 
 伊東純也、中谷進之介、中村航輔ら五輪世代が輝きを放った柏が1-0でFC東京を下した。リオ五輪に参加が決定しているメンバーにとっては、ブラジルに出発する前の最後の試合。柏では、本大会に出場するGKの中村に大きな声援が飛んだ。

【FC東京0-1柏PHOTO】柏が伊東の先制ゴールを守り勝利! FC東京は再三の好機生かせず
 
 サポーターから絶大な期待を受ける中村は、代名詞でもある"ビッグセーブ"をこの日も披露した。27分と55分にムリキの決定的なシュートを阻止し、64分には橋本拳人のヘディングを弾くなど好守を連発。リオ五輪本戦出場選手として、その期待に恥じないプレーだった。
 
 試合後、中村はFC東京戦を次のように振り返った。
 
「良い対応もありましたし、DF陣と連係して守ることができた。チームから離れる前ではありますけど、いつもどおり勝利に向かって取り組めたと思います」
 
"いつもどおり"。
 
 決して口数が多いタイプではない中村だが、試合後に話を聞くと、よくこの"いつもどおり"という言葉を口にする。それは勝った試合の後でも、負けた試合の後でも変わらない。今シーズンは開幕当初こそ、チームの不調の煽りを受けて、自身の調子にもムラが見られた。ただそんな時期でも、堂々とした物言いは変わらず。徐々に調子を取り戻し、ビッグセーブでチームを勝利に導いた日も、決して奢ることなく、淡々と語る姿勢は崩さない。
 
 この平常心こそが中村の安定感の秘密であり、魅力だ。U-23代表チームでもそのスタンスは変わらない。
 

次ページ言葉よりもプレーで示すという変わらぬスタンスを貫いてきた。

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