石渡ネルソンが“いわき”でU-20W杯を射程圏内に! 17歳でJデビュー&高3でプロ契約の俊英が新天地で躍動!

2025年06月29日 松尾祐希

苦難の時期を乗り越えて

石渡が新天地のいわきで成長を続けている。(C)SOCCER DIGEST

 185センチのサイズに、すらりと伸びる手足。相手を弾き飛ばすほどのパワーと推進力。ナイジェリアにルーツを持つMF石渡ネルソンがJ2の舞台で復活の道を歩んでいる。

 C大阪の下部組織で育ち、17歳ながら2022年5月にルヴァンカップでトップチームデビュー。同年10月にはJ1初出場を飾り、直後にはU-18日本代表に飛び級で選出され、背番号10を託された。

 高校3年生となった翌シーズンには、プロ契約を締結。順調なサッカー人生。輝かしいキャリアを持ち、誰もが早い段階でのステップアップを信じて疑わなかった。しかし――。そこから石渡はプロの壁にあたり、苦悩の日々がスタートした。

 プロ1年目の23年はルヴァンカップと天皇杯で1試合ずつに出場しただけで、ピッチに立つ機会はほとんどなかった。

「(当時C大阪を率いていた小菊昭雄監督が)練習後に何度も自分を呼んでくれて、良いものを持っているんだから、という話を何度もしてくれた」と石渡が話したように、ギリギリのところでメンタルを保ってはいたものの、パフォーマンスは上がらない。そうした停滞した空気を変えるべく、24年は出番を求めてJ2の愛媛で武者修行を積む決断をした。だが、リーグ戦12試合で1ゴール。なかなか結果を残せなかった。

「めっちゃ苦しかった。C大阪では(力不足で)試合に出られなかったし、練習ではサイドバックをやる機会もあった。本当は真ん中でプレーしたいと思っていたけど、ピッチに立てないし、(愛媛時代を含めて)本当にしんどい時期でしたね」

 自信を失えば、ミスを恐れてプレーも消極的になる。3列目から持ち運ぶようなダイナミックな動きは鳴りを潜め、気が付けば23年の10月を最後に世代別代表からも遠ざかった。

 そんな石渡に転機が訪れる。今シーズンからいわきに育成型期限付き移籍し、田村雄三監督と出会ったことだ。3−5−2の2列目でポジションを掴み、プロ入り後初めて継続して試合に関わった。
【画像】長澤まさみ、広瀬すず、今田美桜らを抑えての1位は? Jリーガーが好きな女性タレントランキングTOP20を一挙紹介
 すると自信を取り戻し、今年6月には、9月下旬のワールドカップを目ざすU-20代表に招集。モーリスレベロトーナメント(旧・トゥーロン国際大会)では、全4試合でピッチに立ち、うち2試合で先発出場。いずれもボランチで起用されて存在感を発揮した。石渡は言う。

「足の長さを生かしてボールを刈り取るところや前に入っていくプレーは通用したと思う。逆に球際のところでは凄みを感じた。ひとつのプレーに懸けているなと感じたので、それを自分もスタンダードにしないといけない」

 貴重な経験を積んでクラブに戻ると、再びJ2の舞台に身を投じた。そして、迎えた6月28日のJ2第21節の鳥栖戦(0−1)。C大阪時代にお世話になった小菊氏が敵将として見守るなか、序盤からプレーに精彩を欠き、推進力を発揮できない。

 迎えたハーフタイム。見かねた田村監督が檄を飛ばし、石渡に自身の良さを思い出させるように言葉をかけた。その意図を指揮官はこう話す。

「彼の良さは攻守でアグレッシブにプレーすること。変にプレーに制限をかけてバランスを取るように動くと、彼の良さは出ない。ハーフタイムに『何やってんだ!しっかりやれ。(プレーが)ぼやけてる』という話をしたんです」

 そこから石渡は目を覚まし、後半は良さを取り戻す。強度の高い守備で相手を封じ、攻めては相手を蹴散らしながら突破する場面もあった。目に見えた結果は出せず、チームも敗戦。だが、お世話になった鳥栖の小菊監督に対し、成長した姿を見せられたのは"いわき"での賜物だ。

 ワールドカップまで残り3か月。「意識しているけど、まずはチームで活躍するのが一番。それが代表につながれば最高ですね」。遅れてきた俊英はもう迷わない。石渡の冒険はまだ始まったばかりだ。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

【記事】「美男美女ですね!」三笘薫が結婚式写真を投稿! ドレス姿の陸上選手妻と寄り添うツーショットが大反響!「とっても美しい」

【記事】「クボは躊躇しない」久保建英が欧州名門のユニホーム着用でスペインざわつく!西大手紙は「将来について何も語られず…」

【画像】絶世の美女がずらり! C・ロナウドの"元恋人&パートナー"たちを年代順に一挙公開!
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事