防戦一方の苦しい展開
田中の先制弾は素晴らしかったが、なでしこジャパンはスペインに完敗。(C)SOCCER DIGEST
1-3というスコア以上に内容で圧倒されたスペイン女子代表戦。この試合から、なでしこジャパンが学ぶべきポイントとは?
現地時間2025年6月28日、なでしこジャパンが敵地でスペイン代表と対戦。ニルス・ニールセン監督の下、GKが山下杏也加、4バックは右から守屋都弥、熊谷紗希、古賀塔子、北川ひかる、中盤は右から浜野まいか、三浦成美、宮澤ひなた、藤野あおば、2トップは松窪真心、田中美南という布陣で臨んだ。
立ち上がりからスペインにボールを支配される展開ながらも4−4−2システムでブロックを敷いて守ると、30分、相手のパスミスからチャンスを掴んだなでしこジャパンが先制する。
この得点シーンで特筆すべきは、田中の反転トラップ。右サイドからの浜野のクロスを"クルッと反転"してボールを収めた時点で勝負ありだった。"魔法のトラップ"で相手のマークを引き剥がし、そこから冷静に左足で決めた田中の鮮烈弾は掛け値なしに素晴らしかった。
ただ、その後もなでしこジャパンは防戦一方。ボールホルダーに寄せ切れないままズルズルと下がるような守りを続けていると、45分、左サイドを綺麗に突破されて最後はクラウディア・ピアに同点弾を叩き込まれた。エリア内に人数を揃えながらもそのほぼ全員がボールウォッチャーになってしまったのは看過できない。消極的なディフェンスが招いた失点とも言えただろうか。
後半も攻め込まれる展開となり、66分、自陣ゴール前での連係ミス(GK山下と谷川萌々子の連係ミス)からヴィッキー・ロペスに逆転弾を許す。後半のなでしこジャパンはおそらく、DFからすれば中盤から前のフォローが少ない、前線の選手からすればボールが来ないから走り込めないと、そんな主張がぶつかる"悪循環"に陥っているように映った。
【動画】ビルドアップで痛恨のミス…。なでしこジャパンの2失点目
現地時間2025年6月28日、なでしこジャパンが敵地でスペイン代表と対戦。ニルス・ニールセン監督の下、GKが山下杏也加、4バックは右から守屋都弥、熊谷紗希、古賀塔子、北川ひかる、中盤は右から浜野まいか、三浦成美、宮澤ひなた、藤野あおば、2トップは松窪真心、田中美南という布陣で臨んだ。
立ち上がりからスペインにボールを支配される展開ながらも4−4−2システムでブロックを敷いて守ると、30分、相手のパスミスからチャンスを掴んだなでしこジャパンが先制する。
この得点シーンで特筆すべきは、田中の反転トラップ。右サイドからの浜野のクロスを"クルッと反転"してボールを収めた時点で勝負ありだった。"魔法のトラップ"で相手のマークを引き剥がし、そこから冷静に左足で決めた田中の鮮烈弾は掛け値なしに素晴らしかった。
ただ、その後もなでしこジャパンは防戦一方。ボールホルダーに寄せ切れないままズルズルと下がるような守りを続けていると、45分、左サイドを綺麗に突破されて最後はクラウディア・ピアに同点弾を叩き込まれた。エリア内に人数を揃えながらもそのほぼ全員がボールウォッチャーになってしまったのは看過できない。消極的なディフェンスが招いた失点とも言えただろうか。
後半も攻め込まれる展開となり、66分、自陣ゴール前での連係ミス(GK山下と谷川萌々子の連係ミス)からヴィッキー・ロペスに逆転弾を許す。後半のなでしこジャパンはおそらく、DFからすれば中盤から前のフォローが少ない、前線の選手からすればボールが来ないから走り込めないと、そんな主張がぶつかる"悪循環"に陥っているように映った。
【動画】ビルドアップで痛恨のミス…。なでしこジャパンの2失点目
押し込まれているのに色気を出して繋ぐ選択肢が果たして正しいのか。ガッツリと引いてロングボールでひっくり返す戦い方に移行するような勇気も必要だったのではないか。いずれにしても、この日のなでしこジャパンは攻守両面で中途半端だった。結局、89分にも被弾したチームは1−3と敗戦している。
EUROを控えているスペインとコンディションの違いがあるのは当然だが、スコア以上の完敗で、試合を通してのポジショニング、パスの質に歴然とした差があった。一人ひとりの技術というよりも組織としての完成度に問題がある印象である。
理想はスペインのように巧みに、狡猾にパスを繋いで相手陣内に攻め込むサッカーなのだろうが、最終ラインからの組み立てもままならない現在のなでしこジャパンでその実現性は低い。
長谷川唯の不在を嘆く前に着目すべき点がある。それはやはり、GKを含む最終ラインからのビルドアップ。もちろんGKとDFだけの問題ではない。受ける側の中盤やFWの立ち位置、サポートする動きも重要で、要するにチームとしてどうボールを動かすか、そのコンセプトを明確にすべきだろう。
文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
【画像】長谷川唯のダブルピース、猶本光の決めカット、熊谷紗希のキラキラネイル...なでしこジャパンFIFA公式ポートレートギャラリー
【記事】「水着姿にドキッ」浦和L・塩越柚歩の"夏の先取り"ショットに反響続々!「売れっ子女優みたい」「宮古島にマーメイド」
EUROを控えているスペインとコンディションの違いがあるのは当然だが、スコア以上の完敗で、試合を通してのポジショニング、パスの質に歴然とした差があった。一人ひとりの技術というよりも組織としての完成度に問題がある印象である。
理想はスペインのように巧みに、狡猾にパスを繋いで相手陣内に攻め込むサッカーなのだろうが、最終ラインからの組み立てもままならない現在のなでしこジャパンでその実現性は低い。
長谷川唯の不在を嘆く前に着目すべき点がある。それはやはり、GKを含む最終ラインからのビルドアップ。もちろんGKとDFだけの問題ではない。受ける側の中盤やFWの立ち位置、サポートする動きも重要で、要するにチームとしてどうボールを動かすか、そのコンセプトを明確にすべきだろう。
文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
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