浦和の命運を左右するインテル戦。経験豊富な34歳は闘志メラメラ「原口元気の新しいインパクトになるゴールを決めたい」【現地発】

2025年06月21日 元川悦子

「何かをやってくれる」という期待感

ロシアW杯など大舞台の経験は豊富な原口。インテル戦でインパクトを残したい。(C)Getty Images

 クラブ・ワールドカップのグループステージも2巡目に突入。初戦のリーベルプレート戦を1-3で落としている浦和レッズは、現地6月21日のインテル戦に勝負を賭けることになる。

「我々の前には山がそびえ立っています、それも非常に高い山。世界のトップレベルの相手だ。しかし我々は彼らを驚かせることができる。試合は90分ありますし、そんなに悪いチームではないと見せつけることは可能だ」とマチェイ・スコルジャ監督は前日会見で語気を強めた。この大一番で勝点を取れなければ、その時点でグループステージ敗退が決まってしまう。それだけは絶対に回避しなければならないはずだ。

 相手のインテルは、ハカン・チャルハノールやマルキュス・テュラム、デンゼル・ドゥムフリースなど主力6人が別メニュー調整を強いられており、欠場が決定的。戦力的には1.5軍と見られるが、それでもラウタロ・マルティネスやヘンリク・ムヒタリアンなど実績豊富なタレントが浦和に立ちはだかることになる。

 しかも、彼らは初戦でモンテレイに1-1のドロー。就任したばかりのクリスティアン・キブ監督も「突破のためには勝点を取らなければいけない。我々は残りの勝点6を必要としている」と語っており、次は確実にギアを上げてくるに違いない。
 
 そんな世界トップレベルの強敵と対峙するにあたり、その経験値に期待したいのが、34歳の原口元気だ。

 ご存じの通り、彼は10年間のドイツでのキャリアを終えて昨年9月に古巣復帰を果たした。その後は思うような活躍を見せられていないが、リーベル戦では途中出場し10分足らずの出場時間で強度の高いプレーを披露。88分には石原広教の縦パスに反応し、ゴール前に進入するチャンスも作った。

「短かったんでね。でも自分が出てからもチャンスはあったので、全体的な入りは悪くなかった。次はポイントを取らないと上に行けない試合。具体的にどこが空いているかというのはイメージできているので、選手間でそのへんをしっかり共有していく必要がありますね」と本人も大仕事をすべく、虎視眈々とチャンスを狙っていくつもりだ。

 リーベル戦では国際経験の少ない安居海渡や石原、渡邊凌磨らが過度な重圧を感じ、本来のプレーを出し切れなかったのを見ても分かる通り、クラブW杯のような大舞台で戦い抜くには、修羅場の数、ハイレベルな相手と対峙した実績というのが重要なポイントになってくる。今の浦和では、サミュエル・グスタフソンが一番堂々とプレーしている選手だが、原口も初戦の入りを見る限りでは悪くない印象だ。

 今季のJ1を戦うチームで原口の序列は決して高くないが、クラブW杯は別物。2018年ロシアW杯のベルギー戦で値千金の先制弾を奪った男には「何かをやってくれる」という期待がある。指揮官も普段とは異なる基準でスタメンを模索し、大ベテランの抜擢を考えてほしい。

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