「バックパスが来るとは思っていなかった」悔やまれる2失点目。浦和の守護神は複雑な表情「自分に何ができたか」【現地発】

2025年06月18日 元川悦子

データ上ではそこまで大きな差はなかった

後半の開始早々に2失点目。連係ミスでゴールを割られた。(C)Getty Images

 2023-24シーズンのアジア王者として、クラブ・ワールドカップに挑んでいる浦和レッズ。彼らの今大会の命運を左右する初戦のリーベル・プレート戦が、現地6月17日にシアトルのルーメン・フィールドで行なわれた。結果は1-3の敗戦。黒星発進となった。

 90分を通して見ると、ポゼッション率はリーベルの51%に対し、浦和が40%(中立9%)、シュート数13本対10本(うち枠内6本対7本)とデータ上ではそこまで両者には大きな差はなかった。

 個人で見ても、サミュエル・グスタフソンは十分にこのレベルでも違いを見せていたし、1点を叩き出した松尾佑介のスピードも脅威を与えていた。

 それでも勝ち切れないのは、シュートやクロスといった得点に直結するプレーのクオリティの差が大きい。金子拓郎も「自分たちが押し込む時間で長くやれていましたけど、やっぱり一つひとつの質は相手の方が高かったかなと実感しています」と神妙な面持ちで語っていた。

 相手の3ゴールを見ると、開始12分の先制点は、アクーニャの精度の高いクロスとゴール前に飛び込んだコリーディオとドリウッシのポジションニングが絶妙だった。
 
 48分の2点目は、マリウス・ホイブラーテンのバックパスをドリウッシが見逃さず、飛び込んで合わせた形。73分のメサの3点目も左CKに呼応してニアで確実にヘッドで仕留める格好だった。

 前後半の開始早々、そして浦和が勢いを増してきた後半途中という節目の時間帯にリードを広げるあたりは、まさに試合巧者というしかない。とりわけ、後半開始早々の2点目は浦和に甚大なダメージを与えたと言っていい。

「僕自身、バックパスが来るとは思っていなかった。クリアというイメージがあったんですけど、ああいう状況になった時の自分の中の解決方法、自分に何ができたかは今、考えているところです。

 日頃のJリーグでやってる感覚とは少し違いがありましたし、味方がああいうプレーをした時にどういうサポートができるかをしっかり考えて、今後に活かさなければいけないかなと思います」

 大ベテランの西川は複雑な表情を浮かべたが、失点につながる相手のスローインからの流れで、いったんは長沼洋一がボールをクリアしたのだから、そこからセフティな展開に持っていけたはず。しかし、安居海渡がドリウッシと競り合った後、ホイブラーテンは浮き球のヘッドで西川へボールを流すという選択をしてしまった。そこはやはりリスクが高すぎたと言わざるを得ない。

【動画】バックパスを狙われて...浦和が後半開始早々に2失点目

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