なぜ英2部に日本人集結? 坂元達裕がロンドンから1時間の都市で感じる圧倒的な熱量「めちゃくちゃ良い舞台」「サポーターも人生を懸けている」

2025年06月19日 有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

「サッカー人生が終わったかな」と思うほどの大怪我から復帰

子どもからお年寄りまで――イングランドで骨の髄まで根付くサッカー文化を感じている坂元。写真:福富倖希/Getty Images

 1996年10月生まれで東京都東村山市出身の坂元達裕は、FC東京ジュニアユース、前橋育英高校、東洋大学を経て、2019年にJ2のモンテディオ山形でプロデビュー。その2年後にJ1のセレッソ大阪に活躍の場を移すと、日本代表入りも果たした。

 1歩1歩階段を上がるなか、2022年1月にベルギー1部オーステンデヘ移籍。そして2023年7月からイングランド2部コベントリーでプレーしている。

 海外での4シーズン目を終え、5シーズン目に向かう28歳の胸中に迫った(第6回/全6回)。

【#1】「また届かないか」開きかけたプレミアへの扉――坂元達裕が今、思うこと。ランパード監督も認める28歳が欧州で躍動する理由が垣間見えた

【#3】「僕ならまだまだ上に行ける」 J2→J1→日本代表→海外挑戦…ギリギリでプロになった坂元達裕の成り上がりキャリア。初招集で衝撃「このままじゃダメだ」

【#4】「まず性格が違う」坂元達裕が感じたイングランドとベルギーの差が興味深い。レベルどうこうじゃない。比較で見えてくる相性

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 コベントリーはイングランド中部、ウェスト・ミッドランズ州の都市の1つ。ロンドンから電車で約1時間の場所にある。「他の選手はちょっと離れた街に住んでたりするんですけど、僕はコベントリーの街の中に住んでいる」という坂元は、日々街の盛り上がり、温かさをダイレクトに感じているようだ。

「コベントリーはめちゃくちゃ声を掛けてくれますね。サポーターがすごく熱いです。イングランドはサッカーの歴史が本当に長くて、彼らが生まれた時からコベントリーのチームが街に根付いているので、ほぼみんなサッカーファンです。隣人もみんな僕にすごく良くしてくれて、すごく過ごしやすいです。

 プレーしていてもサポーターの熱量をめちゃくちゃ感じます。彼らもサッカーに人生を懸けているというか、サッカーが人生の中でのすごく大きなものの1つになっているので、悪かったらすごく叩かれますし、良かったらすごく称えてくれます。そこは楽しいですね」

 コベントリー1年目の2023-24シーズン、骨盤骨折の大怪我を負った。坂元は「シンプルに『サッカー人生が終わったかな』と思いました。ここまでしっかりと戻って来れて良かったです」と噛みしめると同時に、復帰戦でのサポーターの振る舞いに心から感謝している。

「すごく感慨深いものがありましたね。そんなに早く帰って来れるとは思っていなかったですし、サポーターの方から温かい声をすごくいただいて、すごく嬉しかったですね」

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