高い強度の守備、積極的な縦パス。持ち味を存分に発揮。A代表デビューの鈴木淳之介に芽生えた自覚「より一層、頑張らないと」

2025年06月11日 河治良幸

大量得点の口火を切る先制点の起点に

インドネシア戦で先発し、代表デビューを飾った鈴木。攻守に持ち味を存分に発揮した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[北中米W杯アジア最終予選]日本 6-0 インドネシア/6月10日/市立吹田サッカースタジアム

 アウェーでオーストラリアに敗れた試合から5日後、日本代表はインドネシアを相手に圧倒的な守備強度と攻撃力を見せつけて、6-0の勝利を飾った。

 この試合で森保一監督は、遠藤航やゲームキャプテンを務めた久保建英など従来の主力メンバーと、初招集を含むフレッシュなメンバーを組み合わせるスタメンを送り出したが、ホームであることに加えて準備期間がある分、日本のパフォーマンスは明らかに上がった。

 そのなかで、デビュー戦とは思えないパフォーマンスで無失点の勝利を支えたのが、3バックの左で起用された鈴木淳之介だ。「何日か前から準備してましたけど、いざ先発って言われると、前日はなかなか寝付けなかった」と語る鈴木だが、傍目にはそうした緊張も感じさせないプレーを序盤から見せて、日本に良い流れを呼び込んだ。
 
 日本もインドネシアも同じ3-4-2-1で、言わばミラーゲームのような構図だったが、鈴木は対面する右シャドーのヤンス・サユリへの縦パスを、前に出ながらインターセプトしては、左ウイングバックの三戸舜介やシャドーの鎌田大地などに前選択のパスを付けた。

「けっこう集中していたと思うので。良い守備はできたかなと思います」という鈴木は、攻撃面でうまく起点になれた理由を「前の選手が流動的に動いてくれて、本当に縦パスのコースがいっぱいありましたし、すごくやりやすかった」と語る。

 しかし、相手とのマッチアップが多くできるなかで、積極的に縦パスを付けていくことはメンタル面も含めて簡単ではない。所属する湘南でボランチからセンターバックにコンバートされて1年ほどで、中盤での感覚が残っていることも、高めの位置で相手のプレッシャーを感じずに顔を上げて、効果的なパスを選択できることにもつながっているようだ。

 15分の日本の先制点は、鈴木のパスを起点にもたらされた。鎌田から左のスローインを受けた鈴木は、左外でのパス交換から前向きにボールを持つと、斜め前にのぞいてきたボランチの佐野海舟に速いグラウンダーのボールを通す。そこから鎌田、三戸とつながり、最後はゴール前に走り込んだ鎌田が三戸の右足クロスにヘッドで合わせてネットを揺らした。

【画像】日本代表のインドネシア戦出場16選手&監督の採点・寸評を一挙紹介! 4人が7点台の高評価! MOMは別格だった15番

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