パリ五輪戦士が16節まで出場時間わずか2分。「もっとやらなきゃいけない」と自らを奮い立たせる鈴木海音は、新天地の東京Vで苦境を打開できるか

2025年05月12日 金子 徹(サッカーダイジェスト編集部)

CB陣に怪我人が増えているなかで…

前節の横浜FC戦に続き、今節の湘南戦もメンバー入りを果たした鈴木。しかし、出番は回ってこなかった。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

[J1第16節]東京V 0-2 湘南/5月11日/味の素スタジアム

 5月11日に味の素スタジアムで行なわれた東京ヴェルディと湘南ベルマーレの一戦。試合前に東京Vのメンバー表を確認して、個人的に注目していたのが、昨年のパリ五輪に出場した22歳のDFである。

 今季、ジュビロ磐田から東京Vに赴いた鈴木海音は、アカデミーから過ごした愛着のある磐田から完全移籍をする際、相当な覚悟だった。クラブが公表したリリースにはこうある。「自分の目標である海外挑戦やA代表での活躍を考えた時、より厳しい環境に身を置きチャレンジしたい、という気持ちでこの移籍を決断した」。

 ただ、ここまでは新天地で思うような活躍ができていない。前節の横浜FC戦までのリーグ戦15試合で、鈴木がピッチに立ったのは2試合、しかも出場時間はわずか2分のみ。ルヴァンカップも、AC長野パルセイロとの1回戦では延長後半の残り3分、続くブラウブリッツ秋田との2回戦も前半の45分のみと、厳しい状況に置かれている。

 千田海人や林尚輝らCB陣に怪我人が増えていることもあり、横浜FC戦の終盤で10試合ぶりに起用された鈴木は、今節もメンバー入りを果たした。それだけに出番があるかどうかが気になっていた。
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 湘南戦でチームは、スコアレスで迎えた62分に被弾すると、90+4分にも追加点を奪われ、0-2で敗戦。追いかける展開になってしまったことも影響したはずで、結局、最後まで鈴木に声がかかることはなかった。

 鈴木は自身の現状を、どう捉えているのか。

「チームのディフェンダー陣に怪我人が出ているなかで、自分がピッチに立てていないのは、自分自身の力不足です。チームに来てから、フィットしていないって言われたりもしますけど、そういう部分じゃなくて、自分に求められているところをもっともっと高めていかなきゃいけないと感じています。

 まだ短い時間しか試合に出られていないですし、ルヴァンカップでも自分が思っていたプレーを出せなかった。自分が求められているものを練習からアピールして、しっかり見せられるように、やり続けるしかない」

 その"求められているもの"とは、「ゴール前で身体を張るところだったり、相手に身体を当てるところ」だという。

 鈴木と同じく出場機会を得られていなかったDF深澤大輝が、横浜FC戦に続いて今節もスタメンに名を連ねた。サブ組で共に練習を重ねてきた深澤の活躍にも、刺激を受けている。

「大輝君は全体練習だけじゃなく、メンバー外だけのトレーニングでも自分を出しているし、そういった選手がピッチに立っても結果を残せると思う。そこは自分にまだ足りないところ」

 取材に対応してくれた鈴木の目には力強さがあり、表情に暗さはなかった。「もっとやらなきゃいけない」と自らを奮い立たせる22歳は苦境を打開できるか。

取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

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