【総体出場校】青森山田|OBふたりのリオ五輪代表入りに刺激を受け、05年以来の全国制覇へ

2016年07月07日 安藤隆人

プレミアでは首位と同勝点の2位。全国屈指の陣容が揃うも、まだ試行錯誤の段階。

185センチの大型SBの三國。パワフルな攻撃参加で、青森山田の推進力となるDFだ。写真:安藤隆人

 昨年度、プレミアリーグEAST2位、選手権ベスト4という成績を残したチームから、GK廣末陸、MF住永翔、高橋壱晟、嵯峨理久、FW鳴海彰人の5人の主軸が残った。
 
 ディフェンスラインは総入れ替えとなったが、U-19日本代表でプロ入りが有力視されているGK廣末が、抜群の存在感を発揮して守備を支える。安定したシュートストップと守備範囲の広さで高いディフェンスラインをカバーする一方、正確無比で飛距離抜群のキックで攻撃のスイッチを入れる。
 
 プレミアリーグが開幕すると、廣末の強力なバックアップを得たDF陣が日を追うごとに成長。カバーリングに優れた小山内慎一郎と、空中戦に強い橋本恭輔のCBコンビの連係がスムーズになると、185センチの左SB・三國スティビアエビスの攻撃参加が威力を発揮し、同じく185センチの右SB・小山新はバランス感覚を磨き、空中戦の強さと対人の強さで、CBコンビをサポートする。常田克人(現・仙台)、北城俊幸(現・慶応大)らがいた昨年の最終ラインと遜色ないパフォーマンスを見せるまでになった。
 
 攻撃面では昨年同様にアンカーの住永が攻守のバランスを取り、攻撃の要となる2シャドーには、神谷優太(現・湘南)から背番号10を引き継いだ高橋(千葉入団内定)、その高橋から背番号7を引き継いだ2年生MF郷家友太が並ぶ。このコンビがパスセンスと前への推進力を活かし、1トップの鳴海と連動してアタッキングエリアを攻略する。
 
 ここでキーとなるのが両サイドハーフだ。ここには左右どちらでも力を発揮できる嵯峨がいるが、彼が入るサイドの逆サイドの選手の層にまだ懸念を残している。当初は期待の1年生MFバスケス・バイロンが入ったが、守備面で課題を残し、ポジション確保とまではいかず。MF堀脩大など、黒田監督も試しながら起用を続けている。
 
 こうして試行錯誤を繰り返すチームだが、プレミアEASTでは着実に勝点を重ねている。7節終了時点で、4勝1敗2分けとして1位の市立船橋とは同勝点の2位。Jクラブユースとも互角以上に渡り合える力を見せつけている。
 

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