レッドブル参画で大宮U-18にもたらされた変化は? 1年でのプレミアリーグ復帰を狙う“新生アルディージャ”の現在地

2025年05月05日 松尾祐希

選手たちも感じ取る違い

大宮のレッドブルの経営参画により、U-18にも変化がもたらされている。写真:松尾祐希

 東西に分かれて争われる2種年代最高峰のU-18高円宮杯プレミアリーグ。昨季はEASTで12位となったRB大宮アルディージャU-18が、今季は1年での復帰を目ざしてプリンスリーグ関東1部を戦っている。

 第5節終了時点で3勝1分1敗の5位。首位の山梨学院とは勝点2差で、トップの背中を射程圏内に捉えている。

「圧倒的な存在がそこまでいるわけではないけど、全体的なレベルは高い。ハードワークもみんなができるので、バランスは悪くない」(丹野友輔監督)

 昨季に続いて指揮を執る指揮官は今年のチームに手応えを得ており、今後の伸びしろも感じている。

 すでにルヴァンカップでトップチームのベンチ入りを果たしている190センチのCB酒井舜哉(3年)はエアバトルに強く、U-18日本代表歴を持つ。下級生にもタレントがおり、U-17日本代表で今秋のワールドカップでは司令塔として活躍が期待されるレフティのMF神田泰斗(2年)も面白い。中学3年生でプレミアリーグデビューを飾ったCB熊田佳斗(1年)も守備センスと足元の技術に長けており、将来性は抜群だ。

 その一方で、今季は新たなスタイルの構築に着手。今までは技術力を生かした繋ぐサッカーをベースにしていたが、プラスアルファで走力やフィジカル面も重視。その背景には、今季から本格的に経営参画したレッドブルグループの存在がある。

 ブンデスリーガ強豪のライプツィヒやオーストリア1部のレッドブル・ザルツブルクと同じメソッドを共有するなかで、U-18チームもトップチーム同様に新たな施策を導入。具体的には何が変わったのだろうか。「まだこれからだと思う」と指揮官は前置きしたうえで、変化をこう話す。

「まずはトップチームが取り入れて、徐々にアカデミーに落とし込まれてくるとは思うけど、レッドブルグループがどういうフィロソフィを持っているかという話があり、守備では前から行くところは絶対に外せないと伝えられた」
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 選手たちも違いを感じ取っている。キャプテンを務める酒井は言う。

「今までのアルディージャは相手が来たらパスでいなしていくチームコンセプトだったけど、繋ぐことが目的ではなく、点を取ることが目的だと感じる。繋ぐ意識も大事だけど、最終的には点を取るためのサッカーをしないといけない」

 新たなスタイルを目ざすにあたり、今季からフィジカル面の取り組みも刷新された。丹野監督はこう説明する。

「GPSはレッドブルグループが使っているものになったのは変化の一つです。今はないですが、ヨーロッパの基準で選手たちにフィードバックが入ってくると思う」

 数値に関しても見るべき指標が変わり、単純に走行距離だけを見ているわけではないという。

「レッドブルが入ってからは走力があるだけではなくて、どれだけ強度を出せているかが求められている。スプリントの本数もそうだけど、球際に行った際にどれだけのスピードで行ったのかというデータも取られている」(酒井)

 今後はレッドブルグループからのフィードバックに加え、食事面の改革も予定されており、さらなるブラッシュが見込まれているのも心強い。

 "新生アルディージャU-18"はどのような道を歩むのか。すぐに結果が出るわけではないが、1年でのトップディヴィジョン復帰を目ざしながら、どのような変貌を遂げていくのか注目したい。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

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