内容は完敗。アル・アハリは素晴らしいチームだった
川崎が決勝で0-2の完敗。アル・アハリは個と戦術が融合した素晴らしいチームだった。(C)J.LEAGUE
現地5月3日にキング・アブドゥラー・スポーツシティ・スタジアムで行なわれたアジア・チャンピオンズリーグエリ―ト(ACLE)決勝、アル・アハリ対川崎フロンターレは、2-0で前者が勝利した。
実質アウェーの環境、荒れた芝、日程の不利を乗り越えて優勝を目ざした川崎だったが、最後はあと一歩、手が届かなかった。
サッカーである以上、絶対に勝てない相手ではないし、引き分けでPK戦に持ち込むことも可能だろう。しかし、今回の内容は完敗だ。アル・アハリはハイレベルな個と戦術が融合した素晴らしいチームだった。
この対戦相手は65分辺りを境に、2つの顔を使い分けていた。最初に見せた顔は、敵陣支配型だ。攻守ともに、相手陣内で圧力をかけて攻め立てる。試合序盤こそマルシーニョの決定機など、川崎も互いに攻め合ったが、前半は時計の針が進むにつれ、アル・アハリが一方的に押し込む展開に固まってしまった。
その要因の一つは、アル・アハリのビルドアップが見事に設計されていたことだ。このチームが敷く4-2-3-1は、川崎の守備型である4-4-2とは本来かみ合うはずだが、相手は意図的にかみ合わせをずらしてボールを運んできた。
ミスマッチが生まれたのは、川崎の右サイドだ。対面するサイドハーフの13番ガレーノは中へ入って99番イヴァン・トニーの近くに立つ。すると、このガレーノにSB佐々木旭が引きつけられ、サイドにスペースが空く。そこへ77番のSBエズジャン・アリオスキが駆け上がってくる。
実質アウェーの環境、荒れた芝、日程の不利を乗り越えて優勝を目ざした川崎だったが、最後はあと一歩、手が届かなかった。
サッカーである以上、絶対に勝てない相手ではないし、引き分けでPK戦に持ち込むことも可能だろう。しかし、今回の内容は完敗だ。アル・アハリはハイレベルな個と戦術が融合した素晴らしいチームだった。
この対戦相手は65分辺りを境に、2つの顔を使い分けていた。最初に見せた顔は、敵陣支配型だ。攻守ともに、相手陣内で圧力をかけて攻め立てる。試合序盤こそマルシーニョの決定機など、川崎も互いに攻め合ったが、前半は時計の針が進むにつれ、アル・アハリが一方的に押し込む展開に固まってしまった。
その要因の一つは、アル・アハリのビルドアップが見事に設計されていたことだ。このチームが敷く4-2-3-1は、川崎の守備型である4-4-2とは本来かみ合うはずだが、相手は意図的にかみ合わせをずらしてボールを運んできた。
ミスマッチが生まれたのは、川崎の右サイドだ。対面するサイドハーフの13番ガレーノは中へ入って99番イヴァン・トニーの近くに立つ。すると、このガレーノにSB佐々木旭が引きつけられ、サイドにスペースが空く。そこへ77番のSBエズジャン・アリオスキが駆け上がってくる。
これは右利きのカットイン型サイドハーフと、左利きのクロッサー型SBによる王道の連係パターンだ。相手のボールの出どころがフリーなので、佐々木がこの2人を同時に管理することはできず、家長昭博が下がって対応せざるを得ない。こうして川崎はじりじりと陣を下げられた。
逆側である川崎の左サイドも、アル・アハリは似た仕組みを持っていた。ただし、こちらはサイドハーフの7番リャド・マハレズが大外に立ち、27番のSBマジェラシが内側を上がってくる。マジェラシがすき間で縦パスを受けたり、あるいは引きつけてマハレズへのパスルートを空けるなど、アル・アハリは選手の個性を組み合わせつつ、川崎の4-4-2の両サイドから前進してきた。
また、両サイドが高い位置を取る一方で、ボランチの30番アルジョハニは低い位置に留まり、ほぼアンカーの振る舞い。サイドの上がり状況に合わせて3枚回しに変え、バランスを取る。CBロジェール・イバニェスの機を見た攻撃参加も、アルジョハニによる保証の下で行なわれた。そして、もう一枚のボランチである79番のケシエは、バランスワークを相棒に任せ、どんどん攻め上がってくる。彼とのデュエルは川崎どころか、地球上のサッカー選手の大半が劣勢ではないか。
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逆側である川崎の左サイドも、アル・アハリは似た仕組みを持っていた。ただし、こちらはサイドハーフの7番リャド・マハレズが大外に立ち、27番のSBマジェラシが内側を上がってくる。マジェラシがすき間で縦パスを受けたり、あるいは引きつけてマハレズへのパスルートを空けるなど、アル・アハリは選手の個性を組み合わせつつ、川崎の4-4-2の両サイドから前進してきた。
また、両サイドが高い位置を取る一方で、ボランチの30番アルジョハニは低い位置に留まり、ほぼアンカーの振る舞い。サイドの上がり状況に合わせて3枚回しに変え、バランスを取る。CBロジェール・イバニェスの機を見た攻撃参加も、アルジョハニによる保証の下で行なわれた。そして、もう一枚のボランチである79番のケシエは、バランスワークを相棒に任せ、どんどん攻め上がってくる。彼とのデュエルは川崎どころか、地球上のサッカー選手の大半が劣勢ではないか。
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