【広島】ピッチ上の指揮官“ドクトル・カズ”が語る3-5-2システムの可能性

2016年07月05日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「今は、攻撃というよりは守備でしっかりリスク管理をすることを意識している」

故障者続出のチーム事情もあり、ミシャ時代以来となるストッパーを務める森﨑和。新システムは前線の枚数が多い分、「守備のリスク管理」に重きを置いているという。 写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 広島が新たに採用する「3-5-2」(アンカー+2シャドー+2トップ)において、"ドクトル・カズ"こと森﨑和幸はストッパーを任されている。故障者が続出するチーム事情による緊急措置ではあるが、ペトロヴィッチ前監督時代以来のポジションで、ピッチ上の指揮官が重きを置いていることは何か。磐田戦を3-0で快勝し、第2ステージで好スタートを切った彼に質問をぶつけた。
 
「今は、攻撃というよりは守備でしっかりリスク管理をすることを意識していますね。前に人数が多い分、変な奪われ方をしたら後ろにはスペースがある。できるだけクリアボールを拾うことを第一に考えて、それが拾えなかったとしても最悪ファウルで止める形でやっています。どのポジションでもチームの勝利に貢献できればいい」
 
 新システムは従来の2ボランチから1枚減らし、前線の人数を増やしている分、カウンターを食らう確率は高くなる。久々のストッパーでのプレーは、「まだまだ頭で考えて動くことが多い」ようだ。「自然と動けるようにしていきたい」と話すとともに、故障離脱中の青山敏弘に代わって1ボランチを務める丸谷拓也に対し、「マルがシンプルにプレーして、球際のボールもしっかりモノにしてくれているので、後ろとしては本当に助かっています」と感謝を忘れない。
 
 では、新システムの手応えについてはどのように考えているのか。
 
「単純に前に人数がひとり多い分、前にボールが入った時には攻撃に絡む人数が多い。だからこそ、相手がマークに付きづらいのかなと感じます。そんなに練習はしていなかったんですけど、(第1ステージ16節の)浦和戦で成功して、(同17節の)甲府戦、そして(第2ステージ1節の)磐田戦と継続して良い結果が出ている。これを継続してやって行ければ、自信を持って、新しい形(3-5-2)といつもの形(3-4-2-1)を使い分けできると思います。手応えを得るためには結果を得るしかありません」

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