降格圏に低迷する横浜FMがホーランド監督と契約解除。中山社長、西野SDが決断の理由を説明「J1では成果になっていない」「勝点を重ねられなかったことが大きな要因」

2025年04月19日 金子 徹(サッカーダイジェスト編集部)

「結果的には十分ではなかった」

今季から横浜FMの指揮を執っていたホーランド監督。4月18日付けで契約解除になった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 横浜F・マリノスの中山昭宏社長と西野努スポーティングダイレクター(SD)が4月19日、横須賀市久里浜のクラブハウスで会見を開き、18日付けでスティーブ・ホーランド監督との契約を解除した理由を説明した。

 イングランド出身の指揮官は、これまでチェルシーのリザーブチームの監督やトップチームのアシスタントコーチ、イングランド代表のヘッドコーチなどを歴任。そうした経験を買われて今季からトリコロールを率いていたが、リーグ戦は11試合でわずか1勝、順位も18位タイと降格圏に沈んでいた。

 会見で中山社長は、契約解除に至った経緯を次のように説明した。

「西野さんにスポーティングダイレクターに就任していただいて、ホーランド氏を監督に迎えて挑んだ2025年シーズンは、ACL(アジア・チャンピオンズリーグ)エリートでは東アジア(のグループリーグを)を1位で抜けて、ファイナルステージに進んでおります。ただ、一方でJ1リーグのほうは現時点で1勝5分け5敗の18位と、成績不振に苦しんでいる状況です。

 昨年の後半にシティ・フットボール・グループのサポートをいただきながら、西野さんにも現地に入っていただき、様々な監督候補者の中から様々な視点で検討をした結果でお迎えしたホーランド監督でしたので、Jリーグでも彼の経験を活かして成果に繋げていただきたかったし、期待をしていましたし、我々クラブとしても成功に繋がるようなサポートをしてきたが、J1に関しては残念ながら成果になっていない。この状況をクラブとして深く受け止めておりまして、今回の判断に至りました。ファン・サポーター、パートナー・スポンサー、ホームタウンの皆様にはご心配をおかけしておりますが、この判断にいたった背景をご理解いただけたら幸いです」
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 また、西野SDも「監督を選任する責任者として、プロジェクトのひとつの失敗と認めざるを得ません」と陳謝したうえで、こう続けた。

「この失敗を次にどう繋げていくかが大事だと思っています。(契約解除の)理由がいくつかあるなかで、もちろん勝点を重ねられなかったことは大きな要因だと思っています。新しい監督が来て、新しい国とリーグで、異文化の背景を持つ選手たちをまとめていくのはある程度の時間がかかると想定していましたが、たくさんの時間を与えられるクラブではないということも理解しながら、その時間を稼ぐには勝点も必ず必要で、勝点を拾いながら、そしてチームを熟成させながらというアイデアでおりました。

 ただ、チームがアタッキングフットボールを志向する方向に成長できているか、選手も含めて関わる皆さんがその成長を実感できているかという部分も非常に大事ですし、それをリードする監督の言葉が選手に響いているかも合わせて頭の中に入れてチームを見てきました。スティーブ監督と私(スポーティングダイレクター)、中山社長の関係性がプロサッカークラブのパフォーマンスのうえでは一番重要だと思っています。そういった意味では毎日のように会話をしてきましたが、結果的には十分ではなかった」

 続いて、ホーランド監督との契約解除に関して、最終的に判断したのはどのタイミングかと問われた西野SDは「決定打はいつかと言われると難しい」と述べつつ、「前節(清水エスパルス戦)の試合の負け方、結果、そして後半の内容、試合後の選手、チームの雰囲気。それがすべてではないですが、大きな事象だった」と明かした。

 なお、18日のトレーニングから、ヘッドコーチのパトリック・キスノーボ氏が暫定的にチームの指揮を執っている。西野SDは今後の監督人事についての明言は避けたが、「日本サッカーを考えれば、J1で優勝して、世界で戦うチームの監督が日本人監督であってほしいと昔から思っています。大事なことはマリノスがJとアジアで優勝するためにはってところですので、良い監督であれば」との考えも示した。

取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

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