【リオ五輪】手倉森監督が明かした18人選出の理由。「守らなくてはいけない大会と予想して守備を考えた」

2016年07月01日 本田健介(サッカーダイジェスト)

“ボランチ4枚”の意図は「後ろを万全にしたかった」。

後ろのスクリーンに選手の姿を映し出しながら、18人のリストを読み上げた手倉森監督。最終予選を戦ったメンバーが多く名を連ねた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

「トータルで考えて決めました」
 
【リオ五輪PHOTO】正式登録メンバー18人が決定!

 7月1日、手倉森誠監督はリオ五輪に臨むメンバー18人と、バックアップメンバー4人を発表した。
 
 まず会見の冒頭では、率直な想いをこう切り出した。
 
「悩みに悩んで決定することができました。U-23日本代表は、今日からサッカー日本オリンピックチームへと変わります。これまでともに戦ってきてくれたU-23世代の選手たちの役割も、託す側と託される側に変わります。託す側に回った選手は日本の将来、サッカーの発展に貢献できる選手になって欲しい。託される側は仲間の想い、国民の想い、日本サッカーの将来を伸ばすための責任と覚悟を持ってオリンピックに臨んで欲しい」
 
 最終予選を戦い抜いた23人中14人がメンバー入りするなど、指揮官の言葉を借りれば"まとまり"を重視した選考となったが、チーム構成を考える上で大切にしたのは次のポイントだという。
 
「集中開催のリオの大会で、アンダー23世代の強みとしてある、まとまりを発揮できる、調和のとれたメンバーになったと思います。さらにこのチャンスをロシアにつなげられるメンバーだとも期待しています。戦術に関しても柔軟性と割り切りの柔軟性を発揮できる構成です。世界で示さなくてはいけないメリハリをコントロールできるようなメンバーにしました」
 
 また、ボランチを4人揃えるなど守備面を強化した顔ぶれともなった。
 
「この大会に挑むにあたって攻撃的にやれるのかと。僕は必ず、押し込まれて守らなくてはいけない大会になるだろうなと6割がた思っていて、相手を打ち負かそうと思った時の守備を考えて、ボランチを4枚にしました。遠藤航は後ろはどこでもやれる。塩谷はサイドもできる。後ろを万全にしたかった。前の選手は少数精鋭かもしれない。でもチャンスも少数かもしれない。そこを突けるような選手を揃えたつもりです」
 
 さらに五輪で目指すべきスタイルについてはこう説明した。
 
「この間の南アフリカとのゲームは、最初は辛抱させられながら、相手の強みを受け止めたなかで、弱みを探りながら隙を突いていきました。ゲームを読みながら勝負をもぎ取るというのが、今の日本代表のスタイルかなと思っています。ゲームをコントロールし、相手の心理を汲みながら、小さな隙を大きな穴にしていく、そういう試合をしたいです」

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