【リオ五輪代表】主将・遠藤が南アフリカ戦を分析。「シンプルにやる判断と、つなぐ判断を上手く使い分けないと…」

2016年06月30日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「グラウンダーでクサビのボールを入れられれば、ボランチやサイドハーフが絡んだ連係で崩せる」

左肘靭帯損傷で南アフリカ戦を欠場した遠藤。メンバーは18人に絞られることに関しては、胸中は複雑だという。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

[キリンチャレンジカップ2016]日本4-1南アフリカ/6月29日/アルウィン
 
 遠藤航は左肘靭帯損傷で南アフリカ戦を欠場。「仮想ナイジェリア」というこの一戦を、ベンチから眺めていた不動のキャプテンにはどのように映っていたのか。

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「アフリカ独特の身体能力の高さを生かした攻撃や間合いに、なかなかボールを動かせなかったり、(寄せの)プレッシャーを感じる場面はあったかなと。でも、つなげるとなったら、相手のディフェンスラインのギャップを生かしながら上手く攻められていたと思います」
 
 遠藤の言う「ボールを動かせない」時は、ボールホルダーへのプレッシャーをいなしきれず、前線にロングボールを蹴って撥ね返される展開が続いた。だからこそ、「つなげるとなった時」、つまりは矢島慎也、大島僚太、中島翔哉ら複数の選手が絡んだ攻撃でゴールを落とし入れたチームの1点目と2点目のような形を増やしていきたいと話す。
 
「前半から、下で(ボールを)動かしながらコンビネーションで仕掛ける形はもう少し出せたと思います。一度グラウンダーでクサビのボールを入れられれば、そこから1タッチで落としてボランチやサイドハーフが前向きで顔を出して、コンビネーションで崩すことができる。今日であれば(浅野)拓磨の裏への抜け出しをシンプルに使う判断と、つなぐ判断を上手く使い分けていきたいですね」
 
 最終メンバーの発表が7月1日に迫り、キャプテンという立場も相まって、胸中は「複雑」だという。それでも、遠藤は手倉森監督の言葉を引用しながら、U-23代表チーム、そしてリオ五輪への想いを綴っていく。
 
「監督は『託す側と託される側』という話をしていましたけど、その通りだなと。これまで予選からいろんなメンバーが入れ替わりながら切磋琢磨して成長してきたチームなので、"18人"で戦うんじゃなく、"U-23世代"としてやってきたものが形になって、いざリオ五輪にぶつけていくんだと思っています。
 
 今後は、オーバーエイジとの連係が一番大事な部分になる。(興梠)慎三さんとは(浦和で)一緒にやっているし、ハルくん(藤春廣輝)とも代表でやっている。ガンバと(塩谷司の所属する)広島のU-23世代がメンバーに入れば、彼らの助けになると思うのでそんなに心配はしていません」
 
 チームメイトたちが戦う姿を見ていたら、「自分もやりたくなった」という遠藤。南アフリカ戦に出られなかった悔しさを、リオ五輪本大会にすべてぶつけてもらいたい。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)
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