三笘薫が静かな声で振り返る。PK戦の末にFA杯は8強敗退。あわやPK献上シーンにも言及「ないと思いました。ですが…」【現地発】

2025年04月02日 田嶋コウスケ

フィジカル的に問題なし。だが「判断的なミスは多かった」

FA杯のノッティンガム・F戦に先発した三笘。決定機に絡めないまま72分に交代した。(C)Getty Images

 ノッティンガム・フォレストの最後のPKキッカーが成功させると、タッチライン際で見守っていたブライトンの三笘薫は、思わず両手で顔を覆った──。

 3月29日に行なわれたFAカップ準々決勝のノッティンガム・F戦。試合は0-0のまま前後半で決着がつかず30分の延長戦に突入したが、ここでもゴールは生まれなかった。

 PK戦ではブライトンの3番手ジャック・ヒンシェルウッド、4番手ディエゴ・ゴメスが相手GKのセーブに阻まれ失敗。後攻のノッティンガム・Fは3番手のネコ・ウィリアムズが失敗したのみで、残り4人が成功した。PK戦スコア3-4で、ブライトンはベスト8でFA杯敗退が決まった。

 この試合で三笘は、4-2-3-1の左MFで先発した。3月25日に行なわれたW杯アジア最終予選のサウジアラビア戦をコンディション不良で欠場したが、ノッティンガム・F戦の前日会見でファビアン・ヒュルツェラー監督が「ミトマは順調。試合に出場できると思う」と話していたとおり、日本代表MFはスタメンに名を連ねた。

 しかし長距離移動の影響か、あるいはコンディション不良を抱えていた影響なのか、全体的に動きが重かった。27分には右足のアウトサイドキックでパスを出したが、FWダニー・ウェルベックと呼吸が合わず通らない。

 45分にはダブルマークがついている状況から縦に仕掛けたが、三笘のクロスは相手DFに当たってチャンスにならなかった。最終的に、決定機に絡めないまま72分に交代となった。

 チーム全体としても、ノッティンガム・Fの分厚い守備に苦しんだ。ただ、延長戦の109分に途中出場のゴメスがフリーでヘディングシュート、119分にジョアン・ペドロがネットを揺らすも、こちらはオフサイドと、ゴールまでの形は作っていた。しかしリーグ4位の失点の少なさを誇るノッティンガム・Fの堅守を崩せず、PK戦で涙を飲むことになった。
 
 試合後のミックスゾーンで、三笘は静かな声で振り返った。

「相手が良かったですけど、自分たちにミスが多く、あちらもミスが多い試合でした。最後までチャンスを作っていたところは良かったと思いますけど、最後のクオリティ(に難しさがあった)。相手も後ろで数的優位を作ったりして、難しい展開でした」

(記者:チャンスもあったなかで、PK戦まで行ってしまった)

「もともと空中戦や球際が強いチームで、個人の能力も高いチームです。そこは分かってましたけど、セカンドボールを中心にもっと自分たちのペースでやれたかなっていうところはありますし。もっと我慢強く戦わないといけない試合でしたけど、それもタラレバになりますね」

 では、三笘は自身のプレーについてどのように考えたのか。「監督からは中に入るところだったり、(指示として)いろいろ言われてました。だけど、最後(=ファイナルサード)のとこで、ボールを運べるとこは運べていたので、なるべくそっちで起点を作ろうかなと思っていた」という。しかし「フィジカル的には問題なかったですけど、判断的なミスは多かった」と自身のプレーを反省。三笘としても、思うようなプレーができなかったと振り返った。

【画像】絶世の美女がずらり! C・ロナウドの"元恋人&パートナー"たちを年代順に一挙公開!

次ページ0-7の大敗を喫した因縁の相手でもあった

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事