絶滅? それとも姿を変えて現存? セリエAにおけるファンタジスタの「いま」を探る【現地発】

2025年04月04日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

ファンタジスタの素養を持つ選手は3つの役割に活路を

ローマで活躍するアルゼンチン代表FWのディバラ。(C)Getty Images

 ディエゴ・マラドーナ、ロベルト・バッジョ、ジネディーヌ・ジダン、フランチェスコ・トッティ、アレッサンドロ・デル・ピエロ……。華麗な技でイタリアの観客を魅了しつづけてきたファンタジスタたちだ。とりわけセリエAが最も華やかだった1980年代~2000年代前半には、そうした一流のファンタジスタがひしめき合っていた。

 しかし、パワー、スピード、インテンシティーがすべてを支配する近年のフットボール界では、ファンタジスタという言葉を耳にする機会はめっきり少なくなった。では、現代ではファンタジスタは絶滅したのか。それとも姿を変えて生き残っているのか――。イタリア在住のジャーナリストが解説する。

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 ファンタジスタの定義に当てはまるプレーヤーは、もはや絶滅危惧種となって久しい。組織的な守備戦術の進化とインテンシティーの劇的な向上によって、バイタルエリアの時間とスペースは極度に圧縮され、「10番」の居場所がなくなってしまったからだ。

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 以前であればファンタジスタになっていたであろうタレントたちのほとんどは、次の3つの役割に活路を見出すようになっている。①フィニッシュに軸足を置いたFW(=偽9番やセカンドトップ)。②ドリブル突破による仕掛けに特化したウイング。③ゲームメークに特化したレジスタ。

 それでも、狭いスペースの中で違いを作り出すテクニックとアジリティー、強度の高いプレーを続けるインテンシティー、当たり負けしないフィジカルを備え、バイタルエリアでその創造性を発揮するアタッカーは、少ないながらもいまなお存在している。

 リオネル・メッシは間違いなくそのひとりで、現在セリエAでプレーする選手であれば、パウロ・ディバラがその筆頭格だろう。さらに今シーズン、セスク・ファブレガス率いるコモで、20歳のアルゼンチン代表MFニコ・パスが、創造性溢れるプレーで観る者に驚きを与えている。

 ファンタジスタは絶滅危惧種ではあっても、まだ滅んだわけではないのだ。

文●片野道郎(ジャーナリスト/翻訳家)

※ワールドサッカーダイジェスト2月6日号の記事を加筆・修正

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