指揮官はわずかな綻びにも目を光らせる
“日本一”も過去のこと。前橋育英は再び、最高の景色を見るべく走り出した。写真:松尾祐希
日本一に輝いてから早2か月半。U-18高円宮杯プレミアリーグEAST開幕まで残り1週間を切るなか、昨年度の選手権を制した前橋育英が順調な仕上がりを見せている。
今年度の前橋育英は、昨シーズンのレギュラー組が多く残った。最終ラインはCB久保遥夢、右SB瀧口眞大、左SB牧野奨、中盤の底には新キャプテン候補のMF竹ノ谷優駕とプロ注目のMF柴野快仁が構える。サイドアタッカーは技巧派の10番MF平林尊琉、選手権で会場を沸かせたドリブラーのMF白井誠也が主軸を務める。
前線の競争力が高まっている点もポジティブな材料だ。FW立石陽向は機動力でアピールし、185センチのFW山西智也、FW四方田泰我の大型ストライカーコンビも好調を維持。昨年度から出場機会を得ていたFW大岡航未もポジションが安泰とは言えないほどだ。
3月28日から3日間の日程で行なわれた船橋招待U-18サッカー大会では新1年生も合流し、世代別代表歴を持つMF嵯峨日向、MF中村孝成が存在感を発揮。最前線やサイドが主戦場の前者はドリブル、ボランチでプレーする後者は推進力でチャンスに絡み、山田耕介監督も「1年生コンビは良い。凄いよ」と頬を緩ませた。
選手層は充実。ただ一方で、選手権覇者は"追われる立場"にもなる。指導歴40年以上の山田監督は「勘違いさせないことが一番重要。こちらから言わないと、選手が良い気になってしまう」と強調する。
あくまで日本一は昨季の結果。新チームはまだ何も成し遂げていない。だからこそ、指揮官はわずかな綻びにも目を光らせる。
【画像】サポーターが創り出す圧巻の光景で選手を後押し!Jリーグコレオグラフィー特集!
今年度の前橋育英は、昨シーズンのレギュラー組が多く残った。最終ラインはCB久保遥夢、右SB瀧口眞大、左SB牧野奨、中盤の底には新キャプテン候補のMF竹ノ谷優駕とプロ注目のMF柴野快仁が構える。サイドアタッカーは技巧派の10番MF平林尊琉、選手権で会場を沸かせたドリブラーのMF白井誠也が主軸を務める。
前線の競争力が高まっている点もポジティブな材料だ。FW立石陽向は機動力でアピールし、185センチのFW山西智也、FW四方田泰我の大型ストライカーコンビも好調を維持。昨年度から出場機会を得ていたFW大岡航未もポジションが安泰とは言えないほどだ。
3月28日から3日間の日程で行なわれた船橋招待U-18サッカー大会では新1年生も合流し、世代別代表歴を持つMF嵯峨日向、MF中村孝成が存在感を発揮。最前線やサイドが主戦場の前者はドリブル、ボランチでプレーする後者は推進力でチャンスに絡み、山田耕介監督も「1年生コンビは良い。凄いよ」と頬を緩ませた。
選手層は充実。ただ一方で、選手権覇者は"追われる立場"にもなる。指導歴40年以上の山田監督は「勘違いさせないことが一番重要。こちらから言わないと、選手が良い気になってしまう」と強調する。
あくまで日本一は昨季の結果。新チームはまだ何も成し遂げていない。だからこそ、指揮官はわずかな綻びにも目を光らせる。
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船橋招待U-18サッカー大会では3勝3分の好成績を収めたが、最終日となった30日の熊本U-18戦(1-1)では、失点に絡んだ柴野に雷を落とした。いつも以上に叱責した理由について、山田監督はこう話す。
「(ミスを)チームとしてOKにしてしまうと、他の選手もOKだと思ってしまう。ディシプリン(規律)も乱れてしまう」
チーム状態は決して悪くない。だが、より全体を引き締めるために発破をかけたのだ。選手たちも油断したら足をすくわれることを理解している。竹ノ谷は言う。
「監督から勘違いするなと言われているし、あくまで去年の成績は先輩たちがやってくれたこと。自分たちの代はゼロからのスタートだと言われているので、自分たちもそこは理解している。選手権で優勝した事実は関係ない。去年から試合に出ていた選手が多いというのも関係ない。一つひとつにこだわって、もっと上げていかないといけないと感じている」
プレミアリーグの開幕戦は4月6日。柏U-18戦に向けて、ここからがラストスパートとなる。指揮官の言葉で今一度、気合を入れた選手たちは再び最高の景色を見るべく、自分たちと向き合いながら準備を進めていく。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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「(ミスを)チームとしてOKにしてしまうと、他の選手もOKだと思ってしまう。ディシプリン(規律)も乱れてしまう」
チーム状態は決して悪くない。だが、より全体を引き締めるために発破をかけたのだ。選手たちも油断したら足をすくわれることを理解している。竹ノ谷は言う。
「監督から勘違いするなと言われているし、あくまで去年の成績は先輩たちがやってくれたこと。自分たちの代はゼロからのスタートだと言われているので、自分たちもそこは理解している。選手権で優勝した事実は関係ない。去年から試合に出ていた選手が多いというのも関係ない。一つひとつにこだわって、もっと上げていかないといけないと感じている」
プレミアリーグの開幕戦は4月6日。柏U-18戦に向けて、ここからがラストスパートとなる。指揮官の言葉で今一度、気合を入れた選手たちは再び最高の景色を見るべく、自分たちと向き合いながら準備を進めていく。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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