金崎&土居+柴崎の「トライアングル」の輝きが照らす“ステージ連覇”

2016年06月28日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

14節・甲府戦を境に、状況は変わり始める。

土居(左)と金崎(右)の2トップに、ボランチの柴崎(中)を加えた「トライアングル」が熟成されていけば、攻撃力はより高まるはずだ。写真:徳原隆元

 勝てばステージ優勝が決まる福岡戦、勝負を決定づけるチーム2点目を挙げた土居聖真が、自身のゴールを振り返る。
 
「一回、中に入るフリをして、相手を外した。それをよく見てくれていた」
 
 土居の動きを"よく見ていた"のは、アシストした金崎夢生だ。ダニルソンとの1対1を制し、ニアサイドに侵入した金崎が、ゴール前でマークを外した土居に丁寧なパス。これを土居がダイレクトで合わせてネットを揺らしてみせた。
 
 2トップで先発したふたりの絶妙なコンビネーション。土居が続ける。
 
「ふたりだけで崩せるっていうのは、ここ何試合、続いているので。攻撃パターンのひとつとしてできてきている。セカンドステージでももっと良くしていきたい」
 
 2-1で逆転勝利した前節・神戸戦でも、金崎と土居の連係でゴールが生まれている。ペナルティアーク付近、土居→金崎→土居のワンツーで神戸守備陣を切り崩すと、最後は土居が右足で流し込んだ。
 
 ふたりが今季初めて"共鳴"したのは、7節・湘南戦。3-0で完勝したゲームで、金崎の先制点を土居が、土居のダメ押し点を金崎が、それぞれアシストしている。
 
 その後、金崎の出場停止や、土居が先発落ちする時期もあり、「金崎&土居」は十分に機能しなかったが、14節・甲府戦を境に状況は変わり始める。金崎との2トップで久々にスタートからピッチに立った土居が2ゴールを挙げると、金崎も1ゴールを記録。互いのアシストはなかったものの、ともに結果を出したふたりのコンビに石井正忠監督も手応えを得たに違いない。
 
 事実、この甲府戦から最終節の福岡戦まで、4試合連続で鹿島の2トップは金崎と土居がスタメンで出場。そこで彼らは計6ゴールを記録(金崎が2点、土居が4点)する過程で、「ふたりだけで崩せる」(土居)という関係性が構築されていった。
 
 さらに、転機となった甲府戦で、土居の先制点をアシストしただけでなく、金崎のお膳立てから8試合ぶりの得点を決めたのが、柴崎だ。第1ステージの17試合すべてにフル出場を果たした背番号10は、続く浦和戦でも金崎のゴールをアシスト。連係を深める2トップに呼応するように、ここにきて前線と絡むシーンが増えてきている印象だ。
 

次ページトライアングルの軸となるのは、不動のエース・金崎。

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