強いドイツが戻ってきた! スロバキアに3発快勝で準々決勝へ

2016年06月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

多彩な攻撃で相手を圧倒し、最高の時間帯の得点で試合を決めた。

内容と結果(スコア)が伴った今回。4試合連続無失点と、ドイツは攻守で良さを見せた。 (C) REUTERS/AFLO

 6月26日(現地時間)、EURO2016のラウンド16で、ドイツは3-0でスロバキアを下した。
 
 グループステージではやや攻撃面で精彩を欠いたドイツだが、この試合では序盤からスロバキアを押し込んで多彩な攻撃を仕掛ける。
 
 7分に右からのFKをケディラが頭で合わせて最初のシュート。その直後、CKのクリアボールをボアテングがダイレクトボレーで叩くと、ボールは相手選手に当たってわずかに軌道が変わり、ゴール左隅に決まった。
 
 早くも先制点を奪ったドイツに追加点のチャンスが訪れたのは13分。ミュラーのクロスを頭で合わせようとしたゴメスがシュクルテルに掴まれてPK判定が下る。しかし、エジルのキックはGKコザーチクに読まれ、セーブされた。
 
 スロバキアは、このビッグセーブで流れを変えたいところだったが、ドイツの圧力を受けて前に出ることができず、ボールを奪っても中盤で奪われ、すぐに自陣ゴールに戻ることを余儀なくされる。
 
 ドイツは細かいパスでの突破、ボアテングの最後尾からのロングパス、上がりっぱなしの両SBの崩し、ミドルシュート、そして個人技での突破と、あらゆる武器を使ってスロバキアのゴールを狙っていく。
 
 なかでも光ったのはドラクスラーの巧みなドリブルで、再三スロバキアDF陣を手玉に取っていた彼は43分、左サイドでクツカをかわしてペナルティエリア内に侵入。マイナスに折り返すと、ゴメスがこれを合わせて2点目のゴールを決めた。
 
 スロバキアはその直前に、初めて右サイドを崩してクツカが惜しいヘッド(肩にヒット)を放った他、シュクリニアルが中に切れ込んでシュートを撃つなど、ゴールに迫っただけに、より堪える失点となった。
 
 後半も開始直後からドイツが相手陣内に攻め入るが、好機を最初に掴んだのはスロバキア。49分、右サイドの崩しから、逆サイドのハムシクにボールが渡り、これをさらに右に流すと、走り込んだクツカが強烈なシュートを放つ。しかしボールは、GKノイアーの正面に飛んだ。
 
 53分にハムシクが、58分にはクツカがシュートを放ったスロバキアは、後半に入ってからは積極的に攻め、ボールポゼッションでもドイツを上回りながら、主に右サイドを攻略して再三、ペナルティエリア近くまで迫る。
 
 一方、ドイツには前半ほどの圧倒的な攻撃は見られなくなったものの、63分、CKからフンメルスがヘッドで競り勝って浮いたボールを、フリーのドラクスラーが右足を高く上げたボレーで叩いて3点目を奪った。
 
 これでますます無理をする必要がなくなったドイツは、スロバキアに攻めさせながら、ボールを奪うと正確なロングパス一発でチャンスに結び付けたり、良質なカウンターを仕掛けたりして、ペースを握り続ける。
 
 72分には、活躍したボアテングとドラクスラーをベンチ下げるなど、ドイツは準々決勝を考慮した交代策を採るが、試合の流れには何ら影響を及ぼすことはない。むしろ、再び攻勢を強め、スロバキア・ゴール近くでプレーする時間が長くなっていった。
 
 試合はこのまま終了。地力の差があるとはいえ、相手を圧倒し、多彩な攻撃で3つのゴールを奪い、後半はやや力をセーブしながらも危なげなくクリーンシートを守るなど、試合運びでも文句なしだったドイツ。4戦目にして、ようやく真の姿を披露した。
 
 今後に期待を持たせたドイツは、7月2日、イタリア対スペイン戦の勝者と準決勝を戦うこととなる。
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