W杯優勝を目ざすなら、選手層の拡大は必須。次節サウジ戦で起用してほしい3選手は?【日本代表】

2025年03月22日 元川悦子

「1試合もムダにはできない」と本人も危機感

世界最速でW杯出場を決めた日本。森保監督(右端)はサウジ戦でどんなメンバーを組むか。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 3月20日のバーレーン戦を、鎌田大地(クリスタル・パレス)と久保建英(レアル・ソシエダ)の得点によって2-0で勝ち切り、順当に北中米ワールドカップ出場を決めた日本代表。翌21日には、日本サッカー協会の宮本恒靖会長、日本代表の森保一監督、遠藤航キャプテンらが記者会見に臨み、「我々の目標はワールドカップ優勝」だと改めて公言した。

 そのためには、チームの底上げは必要不可欠。ご存じの通り、1年3か月後の大舞台はアメリカ・カナダ・メキシコの3か国共催で、48か国が参加する。広大なエリアを移動しながら、ファイナルまでの8試合を戦い抜くのは容易なことではない。

「レベルの高い選手たちで2チーム、3チームを作れるくらい選手層を厚くできればいいと思っています。ワールドカップで8試合を戦うためには、全ての選手がスタメンでも出場でき、途中から出ても試合を決める、締める、コントロールできるようなチームが必要」と指揮官も強調していた。

 ただ、これまで最終予選を戦ってきたコアメンバーはすでに固まっている。そこに新戦力を組み込むのは難しい作業になるが、25日のサウジアラビア戦から少しずつ見極めを進めていく構えだ。

 そこで次戦でトライしてほしい選手を考えてみると、まず最終予選で出番が少なかった旗手怜央(セルティック)、菅原由勢(サウサンプトン)らの顔が浮かぶ。

 特に旗手は所属先で今季リーグ戦で7ゴール。チャンピオンズリーグのライプツィヒ戦でも得点を奪っており、調子は悪くない。しかもシャドー、ボランチの両ポジションをマルチでこなせるだけに、使い勝手は良い。

 2024年1~2月のアジアカップでは守田英正(スポルティング)からボランチのポジションを奪った時期もあったほど。そういう選手を、昨年11月のインドネシア戦の79分からピッチに送り出しただけというのはもったいない。

 この時は鎌田と代わってシャドーに入ったが、怪我の影響もあってバーレーン戦でギアの上がらなかった守田の代役として、サウジ戦で抜擢するのは一案。森保監督はボランチ2枚をガラッと変えることはないだろうし、所属クラブで出場機会の少ない遠藤は連戦が有力。そこに旗手を組み込んだ中盤というのを今、ここで再確認しておくべきだ。
 
 バーレーン戦で低い位置に押し込まれる時間帯が長かった右ウイングバック堂安律(フライブルク)のところも、満を持して菅原を起用すべき。彼もまたインドネシア戦の途中から堂安と交代し、値千金の追加点を挙げているが、出番はそれだけだった。

 2023年3月の第二次森保ジャパン発足当初は、4バックの右サイドバックとして主力を張っていたが、3バック移行によって出番を失い、ここまで来てしまった。

「ワールドカップ優勝という目標があるので、そのために代表チームとして戦う試合は限られているので、1試合もムダにはできない」と本人も危機感を募らせている。そういうギラギラしたマインドを持つ選手をスタートから投入することで、チームの雰囲気もより前向きになるはず。

 菅原が守備偏重の右ウイングバックではないところを示すためにも、サウジ戦で先発した場合は、クラブで見せているような攻撃的な部分を積極的に押し出してほしい。

【画像】日本代表のバーレーン戦出場16選手&監督の採点・寸評を一挙紹介! 2選手に7点台の高評価。MOMは1G1Aの20番

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