【セルジオ越後】史上最速でW杯出場決定も“勘違い”してはいけない。優勝を語る前に、まずはベスト8進出を見せてほしいね【W杯最終予選】

2025年03月20日 サッカーダイジェストWeb編集部

バーレーン戦は“KKコンビ”だけで勝ったようなもの

バーレーン戦では久保が一番目立っていた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 日本代表は3月20日にワールドカップ・アジア最終予選の第7節で、バーレーン代表に2-0で勝利。8大会連続でのW杯出場を決めた。

 相手のレベル的にも負けてはいけない試合だった。前半からちょっと硬くて、相手のゴールを脅かすシーンは少なく、いつものリズムから両サイドを崩せなかったので、物足りないゲームになった。

 シュートの本数も少なくて、結構苦しんだね。監督の顔にも出ていた。ボールを回すリズムが遅くて、前からプレスをかける積極性もなかった。

 前半、遠藤のゴールがハンドで認められなかったシーンから、おかしな流れになってしまった。あれが認められていたら違った試合になっていたかもね。

 後半の63分に途中出場した鎌田がすぐに点を取って、そこから楽になった。そして、なんといっても久保のパフォーマンスが素晴らしかった。1ゴール・1アシストで、守備も見事だったし、一番目立っていた。鎌田と久保の"KKコンビ"だけで勝ったようなものだよ。
【動画】W杯行きを決めた鎌田&久保のアベックゴールをチェック!
 あとはそんなに目立つ選手がいなかった。南野も上田も、彼らに求める得点を奪えなかったし、三笘もイングランドで見せていたパフォーマンスに比べると、別人のような感じだった。

 それでもW杯出場を決められてひと安心。でもそれで盛り上がっている場合ではないよ。史上最速で出場を決められたのは、W杯の参加チーム数が増えたことも影響しているだろうし、調子が良いからといって、自分たちが強いと、ワールドカップで優勝できると勘違いしてはいけない。

「優勝します」と言うのは簡単。8回出て、一度もベスト16の壁の越えていないのだからね。私が日本に来て53年。一度もベスト8以上を見られていない。ワールドカップでの優勝を語る前に、まずベスト8進出を1回見せてほしい。

【著者プロフィール】
セルジオ越後(せるじお・えちご)/1945年7月28日生まれ、79歳。ブラジル・サンパウロ出身。日系ブラジル人。ブラジルではコリンチャンスやパウリスタなどでプレー。1972年に来日し、日本では藤和不動産サッカー部(現・湘南ベルマーレ)で活躍した。引退後は「さわやかサッカー教室」で全国を回り、サッカーの普及に努める。現在は解説者として、歯に衣着せぬ物言いで日本サッカーを鋭く斬る。

【記事】「結局、勝てない。不公平だ」「守備は好調だったのに…」森保J相手に善戦も0-2敗戦…バーレーンのファンは嘆き。日本の強さには脱帽「彼らは完璧なチームだ」

【画像】バーレーン&サウジとのW杯アジア最終予選ホーム2連戦に挑む日本代表招集メンバーを一挙紹介!

次ページ【動画】W杯行きを決めた鎌田&久保のアベックゴールをチェック!

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事