延長終了間際にカウンター炸裂! 守勢ポルトガルが準々決勝へ

2016年06月26日 サッカーダイジェストWeb編集部

ともに失点を怖れ、大部分の時間帯で無理をせず慎重にプレー。

ピンチの直後のカウンターから、交代出場のカレスマが大きな仕事を果たした。 (C) Getty Images

 6月25日(現地時間)、EURO2016は決勝トーナメントに突入し、ラウンド16でポルトガルが延長戦の末に1-0でクロアチアを下した。
 
 互いに優勝候補にも挙げられている技巧派同士。ひとつのミスが命取りとなるだけに、試合は序盤から両チームともに慎重なプレーが目立つ。
 
 クロアチアはパスワークと個人技を駆使してサイドからの崩しを狙うも、ポルトガルDF陣が中央に入らせない。一方、ポルトガルはダイレクトパスを繋ぎ、ピッチを広く使って相手ゴールに迫ろうとするも、やはりクロアチアDF陣にはね返された。
 
 両チームともに、前半途中から中盤の両サイドを入れ替えて状況打破を狙うも、決して無理をして仕掛けようとはせず、中盤で激しいボール争奪戦が展開される。
 
 そんななかで最初にチャンスを得たのはポルトガル。25分、C・ロナウドが倒されて得た左サイドのFKから、ペペが頭で合わせるも、クロスバーを越える。これが、この試合のファーストシュートとなった。
 
 クロアチアのシュートは30分、ペリシッチが右サイドから中に切れ込んでニアに放ったのが最初。他には、CKで競り勝つも身体を寄せられて、ボールをゴールに飛ばすことはできなかった。
 
 互いに相手守備陣を慌てさせる場面がないまま、最初の45分を終えた。
 
 後半は序盤からクロアチアが攻勢に立ち、たびたびサイドからチャンスを作ろうとする。52分にはストゥリニッチのクロスにブロゾビッチが飛び込むも合わず、その直後にショートコーナーから再びブロゾビッチが放ったダイレクトシュートも外れた。
 
 さらにクロアチアは62分に、右サイドのFKからヴィーダがぴったり頭で合わせたが、惜しくもゴールマウスを捉えられず。これが、後半最初の決定機となった。
 
 対するポルトガルは50分に交代出場した期待の19歳、サンチェスが57分、マリオとのパス交換から惜しいシュート。彼の存在で、ポルトガルの攻撃は前半よりも活性化していく。
 
 前半よりは攻撃の意思を示した両チームだが、しかし、それ以上に失点したくないという気持ちが強いのか、大胆な仕掛けはなし。相手の意表を突くようなプレーもないため、相手ゴールに近づいても、決定的な場面を迎えるまでには至らない。
 
 互いに、前線に良いかたちでボールが渡ることがほとんどないまま。試合は正規の90分を終了した。
 
 延長戦でも、攻撃の時間はクロアチアの方が長い。序盤からポルトガル陣内で試合を進め、94分にはCBチョルルカからの縦パスをペリシッチが頭で合わせ、3分後にはラキティッチのスルーパスを受けたカリニッチが思い切ったシュートを放った。
 
 守勢のポルトガルは、サイドからの攻略しようとするが、クロスは中央を固めるクロアチアDF陣にはね返された。
 
 延長後半に入ると、互いに1点を求めて攻勢を強めるが、それぞれのDF陣が最後のところで踏ん張り続ける。
 
 クロアチアは113分、CKからヴィーダが競り勝ってヘディングシュートを放つも、これも枠を外れ、思わず頭を抱えて倒れ込む。さらに116分には、左サイドからのペリシッチの絶妙のクロスをカリニッチが合わせられず、その直後のCKではペリシッチが頭で合わせたが、ボールはポストを叩いた。
 
 その直後である。
 
 カウンターからC・ロナウドが左サイドのサンチェスに繋ぎ、ドリブルで突き進んだサンチェスからパスを受けたナニが左から折り返すと、逆サイドで待ち受けたC・ロナウドがこの試合最初のシュートを放つ。これはGKが防ぐも、こぼれ球をカレスマが詰め、土壇場でポルトガルが先制した。
 
 アディショナルタイム、必死に反撃を試みるクロアチアは、右サイドのクロスの折り返しをヴィーダが今度は右足でシュートするも、これもわずかに枠を外れ、間もなくして試合終了のホイッスルが鳴った。
 
 全体的にはクロアチアが攻勢に立つ時間の長い試合だったが、最後の最後でチャンスを活かしたポルトガル。劇的なかたちで準々決勝進出を果たした彼らは、6月30日、ポーランドと対戦することとなった。
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