【権田修一が極める“変人力”】GKは評価が難しい。優劣は正直分からない。結局できることは…「なんで俺を使わないの?」ってなった時点で成長はない

2025年03月18日 有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

「他人の成長は自分のレベルアップのチャンス」

サッカーのみならず、日常生活にも通じる考え方を伝えた権田。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

【権田修一が極める"変人力"(第2回/全2回)】

 日本代表GKとして、カタールW杯で活躍した権田修一が、自身初の著書を出した。タイトルは『変人力』(ワニブックス刊)、帯に書かれた文言は「リスペクトを持って異分子であれ!」。チームメイトから「変わってる」と言われ続けてきた権田が、「常識を飛び越えて成功を掴む45の思考」を記した渾身の一冊だ。

 昨季いっぱいで清水エスパルスを退団。現在は無所属で、海外移籍を目ざしている36歳の守護神に、著書を掘り下げる形で"変人"としての考え方、生き方を訊いた。

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――◆――◆――

――書籍の冒頭で登場する「他人の成長は自分のレベルアップのチャンス」という考え方も非常に印象的です。

「ゴールキーパーは評価が難しいポジションなんですよね。自分の方が良いのか、違う人の方が良いのかって、正直分からないんですよ。ゲームにポンって出て、シュートが1本も来ないで無失点で抑えたキーパーと、シュートを15本止めたけど3点取られたキーパーのどっちが良いかなんて分からないじゃないですか。結局キーパーができることは、自分が成長し続けることしかないんですよね。

 もし自分が無失点に抑えたけどスコアは0-0で、もう1人が15本止めて3本決められたけど勝って、もう1人が評価された時に『いやいや、でも3点取られてんじゃん』と思うのか、『自分は次の試合でもっとしっかりできるように頑張ろう』と思うのか。やっぱり心の持ちようだけで、その先の向かい方が変わると思うんですよね。

 まずは相手を褒める感覚、良いところを見つけられる感覚があれば、自分たちで成長できます。でも相手の悪いところしか見ない人は、自分をキープしちゃうんですよ。だから、『相手が成長している』『相手が良い』と認められないと絶対に成長できないんです。『あいつ、あんま良くないのになんで俺を使わないの?』って感覚になった時点で、もう成長しません。自分自身がまず、色眼鏡をかけずに相手をしっかり見ることが前提なのかなと思います」

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