「ライバルが躓いてくれた幸運もあったけれど」――背番号10・柴崎岳は第1ステージ制覇の要因をどう捉えているのか?

2016年06月26日 橋本啓(サッカーダイジェスト)

「良い守備から攻撃につなげられているのは間違いない」

第1ステージの全試合でフル出場した柴崎(10番)。福岡戦では、CKから先制点をアシストするなど、随所に効果的なプレーを見せた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[J1第1ステージ17節]鹿島2-0福岡 6月26日/県立カシマサッカースタジアム
 
 第1ステージ制覇が懸かった大一番で、柴崎岳は期待どおりに仕事を果たした。
 
 27分、CKのキッカーとして右サイドから正確なボールを供給すると、エリア内に飛び込んだ山本脩斗の頭にピタリと合わせ先制点を演出。序盤にやや押されていたチームを勢いづけた意味でも、エースが果たした仕事には十分な価値があった。
 
 中盤の底での振る舞い方も実に効果的で、ボランチコンビを組んだ小笠原満男とうまく補完関係を築きつつ、時に前線へ攻め上がりアクセントを加味。味方への的確なサポートで攻撃のリズムを生む役割も忠実にこなした。
 
 試合後「勝利に貢献できて良かった」と安堵した柴崎は、一方で、直近6試合を6連勝で駆け抜け、第1ステージ制覇へ漕ぎ着けた要因についても言及。背番号10を纏うエースMFは、こう捉えているようだ。
 
「上手くいったり、いかなかったりする時があるなかで、このチームには立ち返れる場所がある。やるべきことは皆が分かっていますし、そこがこういう結果を生んだんじゃないかなと。
 
 もちろん、(優勝を争っていた)ライバルのチームが思うように結果を残せなかった部分で幸運もありましたけど、そんななかでも僕らは勝ち続けられたのが大きい」
 
 確固たる自信を掴みつつある一方、柴崎は今後へ気を引き締めることも忘れない。
 
「とりあえず、これでひと区切りつけて、またゼロからという想いで次の戦いが始まる。このアドバンテージを考えずに、第2ステージも優勝に向かって頑張っていきたい。失点も少ないですし、チーム全体の守備意識が高まっている。良い守備から攻撃につなげられているのは間違いないので、よりその質を高くして第2ステージを戦えたらと思います」

 完全優勝に向かって臨む第2ステージは、難敵のG大阪戦(7月2日/カシマ)で幕を開ける。 
 
取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)
 
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