2025年３月16日に日産スタジアムで開催されたガンバ大阪戦で個人的に注目していたのが、横浜F・マリノスの宮市亮だ。日本代表歴もある快足アタッカーが今季はサイドバックという新境地を開拓中で、この日も４バックの右で先発した。

　前半こそやや相手に振り回されるシーンもあったが、徐々に落ち着きを取り戻して完封勝利に貢献。「チームとしてクリーンシート（零封試合）は自信になりました」と本人も話していた。

　この日の横浜FMは引き気味に構えてG大阪の攻撃を跳ね返していた。まさにゴール前に"壁"を築いたわけだが、宮市の感覚はどうだったのか。

「後半は特に崩される感じはしませんでした。向こうが前に出てきた分、カウンターも仕掛けやすかったし、良かったと思います」

　宮市自身に目を向ければ、アタッカーからサイドバックにポジション移行して"失点への恐怖"は芽生えたのか。

「やはり守備的なポジションなので得点を取りに行くよりもなんとかゼロに抑えたい、マッチアップした選手に負けないところが最初の感情になります。アタッカーとは考え方が違いますよね」

　G大阪戦でサイドから攻め上がるシーンがあまり見られなかったのも意図的だったのか。

「システム的に可変して３バックや４バックになるので、基本的に僕は残るというか、今日は相手も前線に人が残っていたので、リスク管理というところで後ろにいました」

　そう答えてくれた宮市に、直球質問をしてみた。「純粋に、サイドバックは楽しいですか？」と。すると、彼は笑顔で次のように答えてくれた。

「楽しいですね。そこで起用してくれているチームの期待に応えたいし、何より今日は勝点３を獲得できて嬉しかったです」

取材・文●白鳥和洋（サッカーダイジェストTV編集長）

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