23年ぶりの復活なるか!? EURO王者とコパ・アメリカ王者の「世界一決定戦」

2016年06月25日 サッカーダイジェストWeb編集部

過去の王者はプラティニのフランス、マラドーナのアルゼンチン。

トロフィーを手にするプラティニ。フランスは開始3分で先制し、主導権を握った。 (C) SOCCER DIGEST

 南米サッカー連盟(CONMEBOL)のアレハンドロ・ドミンゲンス会長は6月24日(現地時間)、会見の席で、現在、米国で行なわれているコパ・アメリカ・センテナリオの優勝国と、同じく現在進行中のEURO2016の優勝国との対戦というプランを明かした。
 
 これはコパ・アメリカ100周年記念の一環としてのもので、会長は「我々はUEFAに挑戦状を送った。今は回答を待っている」と語っている。
 
 欧州王者対南米王者の対決は非常に興味深いところだが、各大陸の王者が対戦するコンペティションとして、すでにコンフェデレーションズ・カップが存在するなかで、親善試合とはいえ、果たしてこの黄金カードが実現するかどうか。
 
 ただ、コンフェデレーションズ・カップは複数のチームによる大会であり、決勝戦ならともかく、グループステージでの対峙が実現しても「世界一決定戦」というには印象が弱い気も……。(過去に対決自体は5回実現しているが、決勝での対峙はキング・ファハド・カップ時代の95年の1度だけである)。
 
 ところで、サッカー界をリードする2大大陸の王者の直接対決、まさにクラブにおけるかつてのインターコンチネンタル・カップ(トヨタカップ)のような大会が過去、80、90年代に、実際に行なわれたことがある。
 
 1983年に自動車事故で亡くなったUEFA会長の名が冠せられた「アルテミオ・フランキ・トロフィー(カップ)」は1985年8月21日に第1回が開催され、フランス・パリのパルク・デ・プランスでフランスとウルグアイが対峙した。
 
 出場資格を得た両者の肩書きは、前者がEURO84の王者、そして後者は83年のコパ・アメリカ王者である。
 
 目前に迫った86年メキシコ・ワールドカップ予選に向けての準備という意味合いもあって、親善試合でありながら両チームは熱戦を展開。ミシェル・プラティニ率いるフランスは美しいサッカーを披露して、エンソ・フランチェスコリ擁するウルグアイを2-0で破り、初代王者となった。

 次にこの大会が行なわれたのは8年後の2月24日。91年のコパ・アメリカ王者であるアルゼンチンと、EURO92で奇跡の優勝を果たしたデンマークが、アルゼンチンの有名な保養地、マル・デル・プラタで対決した。
 
 この試合が行なわれたのは、コカイン使用問題で長期出場停止処分を受けていたディエゴ・マラドーナが実に956日ぶりに代表復帰を果たしたブラジル戦から6日後のことであり、誰もが「欧州対南米」の対決構図よりも、アルゼンチンの背番号10に目と心を奪われた。
 
 マラドーナが、彼の復活を待ちわびた国民の期待に違わぬ数々の妙技を見せた試合は、延長戦に入っても1-1のままスコアは動かず、PK戦に突入。マラドーナが1番手で決めたアルゼンチンが、5-4でデンマークを下して2番目の王者となった。
 
 この対決は、第2回のキング・ファハド杯の決勝でも再現され、この時はデンマークが2-0で雪辱を果たしている。
 
 そして、この大会が発展拡大し、97年からはコンフェデレーションズ・カップが行なわれるようになって、「南米王者対欧州王者」と銘打った大会は消滅したのだった。果たして今回、南米の声に欧州が応え、再び"直接対決"は復活するだろうか。
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