OBでさえ、目を疑う奇跡的な勝利だった。

　リバプールは３月５日、チャンピオンズリーグのラウンド16第１レグで、パリSGに敵地で１－０と勝利した。28本ものシュートを許しながら、守護神アリソン・ベッカーが神憑り的なセーブを連発してクリーンシートを達成。逆に87分、ハービー・エリオットが値千金のゴールを決め、初戦を制している。

　79分から出場した遠藤航も、劣勢の中で敵の攻撃を食い止め、

　パリSGに許した保持率は65％。14本のCKを与え、パス成功数は400本以上の差をつけられた。前述のように28本のシュートを打たれた一方で、リバプールのシュートは２本のみ。数字だけ見れば、どちらが勝利チームか分からないほどだ。

　それだけに、英紙『Daily Mail』によると、リバプールのレジェンドOBであるジェイミー・キャラガーも、『CBS Sports』で「サッカーの歴史でも有数の強奪となるだろう」と話している。

「自分が見たばかりのものを信じることができない。パリSGはまったくもって見事だった。リバプールを叩きのめした」

　もちろん、殊勲は数々のセーブを見せたアリソンだ。キャラガーは「リバプールには優勝する大きなチャンスがある」と述べた。

「実現したら、（アリソンの）パフォーマンスはこれから記憶されることになるだろう」

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　同じコメンテーターの元フランス代表FWティエリ・アンリも、「アリソンについて言えることは何もない。彼は素晴らしかった」と脱帽だ。

「彼じゃなければリバプールは苦しんでいた。チャンピオンズリーグであれだけのセーブの試合はあまり記憶にない」

　パリSGの落胆は大きい。対するリバプールの士気は最高潮だ。アンフィールドでの第２レグに向け、後者が有利になったのは間違いないだろう。だが、サッカーにおいて何があるかは決して分からないと、まさにこの試合が示している。リバプールはそのことを肝に銘じるだろう。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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