「Jリーグとまったく違う」浦和レッズからベルギーに新天地を求めた23歳日本人MFが体感する“驚きの現実”。それでも「長く欧州にいるつもりはない」と語る真意とは【現地発】

2025年03月04日 中田徹

「最初は僕からすると『落ち着く場面も必要だな』と思ってたんですが…」

パリ五輪に出場した大畑。ベルギーに来て1か月強、あらゆる面で急加速的な順応ぶりを示している。写真:中田徹

 最近のルーベンは終了間際の劇的ゴールが多く、監督の名前を拝借して「コールマン・タイム」という時間帯を作っている。3月2日の対ウェステルロー戦のクリス・コールマン監督は0-0で進んだ79分に、大畑歩夢を左ウイングバックのポジションに投入して勝負に出た。
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 大畑の見せ場は88分に来た。ハーフウェーラインを越したところでボールを持った大畑は前線にパスを付けると、そのまま左サイドを駆け上がって攻撃のスイッチを入れた。そして、ゴールライン近くからニアサイドに低く鋭いクロスを蹴り込んだが、オスカル・ヒルのダイレクトシュートは枠を外れていった。

「チームが点を取りに行く中、『チャンスが来たら得点に関わることができるように』と入りました。あの一本、組み立てまでは良かったんですけれど、最後のクロスをもう少し浮かしていたら奥の選手(ヨバン・ミヤトビッチ)がおそらくフリーだったので、そこができていたらなと思ってます」

 対戦相手のトップ下、坂本一彩は86分から右ウイングにポジションを移した。そして、坂本のほうから大畑に歩み寄って挨拶を交わし、2人は対峙した。ウェステルローの左サイドからのクロスに対して、ゴール前で大畑と坂本がボールのないところでポジションを取り合うシーンはあったが、目立ったワン・オン・ワンはなかった。

「彼は今、ベルギーで点を取って乗っている状態です(3ゴール・1アシスト)。日本人として本当に良いことだと思います。今回の試合でも素早い動きを見せました。最後、一緒のポジションでJリーグみたいになりました。もっと1対1の場面があったらよかったです」
 
 2月15日のデンダー戦(3-2)の後半からプレーしたのが大畑にとってのベルギーデビュー。ここまで2試合プレーしてみて、ベルギーリーグの感想を尋ねると背番号66はこう答えた。

「Jリーグとまったく違うサッカーだなというのと、組織というより個人で一人ひとり剥がすところだったり、本当に来てビックリしました。フィジカルもそうですし、足の長さや腕の長さといったリーチが全然違う。オープンサッカーで、(攻守が行き交うゼスチャーを交えて)ずっと行ってるような感じがある。最初は僕からすると『落ち着く場面も必要だな』と思ってたんですが、ベルギーはそういうサッカーなので、自分が合わせないといけません」

 24年シーズンのJリーグを昨年12月に終えると、1月にルーベンと契約してから一度日本に戻り、2月に入ってチームに合流した。

「12月からずっと試合に出てなかったので、この間のデンダー戦は45分間プレーしたんですが、それでも足を攣ったので、コンディションをもっと上げていかないといけません。自分の感覚的にはまだ90分間は持たないと思います。そこをもっと上げていきたいです。(ベルギーリーグのレギュラーシーズンが)あと2試合で終わり、それからプレーオフがあるので、勝負は次のシーズンだと思ってます」

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