正直、心臓に悪いゲーム。それでも緊張に押し潰されず、勝てば天国、負ければ地獄の大一番で後半から”ピッチの支配者”となったのは?【U-20アジア杯】

2025年02月23日 サッカーダイジェストTV編集部

確かな技量と強心臓でアピール

後半以降の佐藤は特別な輝きを放った。写真:佐藤博之

 2025年2月23日、U-20アジアカップの準々決勝で日本代表がイラン代表と対戦。延長戦を含む120分間の激闘(スコアは1-1)で決着をつけられなかったが、その後のPK戦を4-3で制してU-20ワールドカップの出場権を獲得した。

 正直、心臓に悪いゲームだった。イランのハイプレスの餌食になってあっという間に先制された時は不安が先行し、決定機をなかなか決められない状況が続いた時は嫌な流れだと感じたこともあり、観ている側も落ち着かなかったはずである。

 勝てば天国、負ければ地獄の大一番という背景もあって、ピッチの緊張感がダイレクトに伝わってくるような試合だった。プレッシャーに押し潰されてもおかしくない状況下で日本はよくこの一戦をモノにした。チームスタッフ、選手全員に大きな拍手をおくりたい。

 値千金の同点ミドルを決めた小倉幸成はもちろん素晴らしかったが、個人的により印象に残った選手は佐藤龍之介だ。FC東京アカデミー出身の"超逸材"がその評判に相応しい活躍を披露してくれた。
【動画】目が覚めるような小倉幸成の強烈グラウンダーショット弾!
 後半からピッチの支配者となったのは佐藤で、彼のところにボールが入れば何か起こりそうな期待感があった。緊迫感のある大一番でしっかりと実力を発揮できるあたりは、さすがのひと言。確かな技量と強心臓を存分にアピールしたと言っていい。

 ヒリヒリするような展開のPK戦でも、佐藤はど真ん中に蹴り込んで強心臓を示した。昨季はFC東京のトップチームで燻っていた男がこの大会をきっかけに飛躍を遂げてほしいと(今季はレンタル移籍でファジアーノ岡山でプレー)、心から願う。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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