キャプテン市原吏音が悔やんだ韓国戦の後半AT。U-20日本代表を牽引する男は痛恨のミスを大一番で生かせるか【現地発】

2025年02月21日 松尾祐希

「俺のせい」

キャプテンの市原(5番)は、終盤に痛恨のミス。試合後には悔しい表情を見せた。写真:佐藤博之

[U-20アジア杯]日本 1-1 韓国/2月20日/Shenzhen Youth Football Training Base Pitch 1

 U-20ワールドカップの最終予選を兼ねたU-20アジアカップのグループステージ最終節。1勝1分で第3節の韓国戦を迎えたU-20日本代表は、引き分け以上で自力突破が決まる状況下で、最終盤まで1−0とリードしていた。

 このまま終われば、1位通過が決まる。表示された後半アディショナルタイムは4分――。しかし90+1分、CB市原吏音(RB大宮アルディージャ)が自陣でボールをロストし、U-20韓国代表唯一の海外組で10番を背負うFWキム・テウォン(ポルティモネンセU-23)に同点ゴールを叩き込まれた。

 がっくりと肩落とした市原。直後に試合終了のホイッスルが鳴り、キャプテンとしてチームを牽引してきた男は苦味を潰したような表情でピッチを後にした。

「俺のせい」。そう言わんばかりの表情でミックスゾーンに姿を見せた市原は気持ちを切り替えられず、暗い表情で言葉を紡いだ。

「グループステージ突破という最低限の目標を達成できて嬉しい反面、不用意な自分のミスから失点してしまった。(失敗が)今で良かった」
【動画】石井久継のクロスに最後詰めたのは神田奏真!
 いつもは明るく、どんなことがあっても強気な姿勢を崩さない。昨年9月のアジア杯予選でキルギス(1−1)に痛恨のドローを喫した際も結果を受け止め、ポジティブな言葉で前を向いていた。しかし、今回ばかりはそうもいかない。

 自身のミスで勝点2を失い、後味の悪い終わり方を招いてしまった。1位通過か2位通過。対戦相手が変わったとはいえどちらも難敵であり、韓国戦の結果で試合日程が変わったわけではないが、キャプテンとして何も感じないわけにはいかなかった。

「自分の強みでもある運び出しのところからボールを奪われてしまった。消極的にならずに、次の試合もしっかりしていきたい。失点してしまったのは、ほぼほぼ自分の責任」

 幸いにもミスが起こったのはグループステージの最終節。これがW杯の出場権が懸かる準々決勝であれば取り返しがつかなかったが、挽回のチャンスはあるし、この学びを生かす場も残されている。

 次なる相手はイラン。今大会で最もサイズがあり、フィジカルも強い。何より、準々決勝の大一番で並々ならぬ熱量で相手も挑んでくる。そうした相手と戦う前に気を引き締められたのはプラス。この経験を次に活かせれば、韓国戦の失敗も意味がある。

 韓国戦翌日の21日は、控え組の選手がグラウンドで汗を流した一方で、スタメン組だった選手は室内で調整を行なった。中2日で迎える"ワールドカップ出場決定戦"で同じ過ちを繰り返すわけにはいかない。

「いつまでも引きずっても意味がない。次のイラン戦は自分の良いところを発揮しながら入っていきたい」とは市原の言葉。悔しさを力に変え、市原は船越ジャパンのリーダーとして勝利のために全力を尽くす。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

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