批判も渦巻くポグバが超絶的なミドルやキープなど躍動。デシャンも「最高クラスの選手であることを示した」と称賛!

2016年06月20日 白鳥大知(サッカーダイジェスト特派)

序盤から積極的で攻撃の全局面に関与する。

過去2試合の鬱憤を晴らすかのように躍動したポグバ。決勝トーナメントでのパフォーマンスにも注目が集まる。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

 ルーマニアと激突した6月10日のEURO2016開幕戦は1-1の状況でまさかの途中交代を告げられ、6月15日のアルバニア戦は屈辱のベンチスタート。「チームの食事時間に遅れた」、「アルバニア戦で侮辱的なジェスチャーをした」などネガティブなニュースが流れ、「移籍のことで頭がいっぱいなのでは?」という不当な批判も浴びた。6月19日のスイス戦でポール・ポグバは、まさに真価が問われていた。
 
 迎えたピエール・モーロワ(リール)での一戦は、4-3-3の左インサイドハーフで先発復帰。開始2分でいきなりミドルシュートを狙うなど、序盤から積極的な姿勢が目立つ。11分は再び右足でミドルシュート、13分にはこぼれ球を拾うと相手4人を交わしてペナルティーエリア内に侵入して左足でフィニッシュ。しかし、いずれも相手GKヤン・ゾマーのビッグセーブに阻まれた。
 
 そして、18分には中盤から一気にボールを持ち上がって前線へ。独特のタイミングから左足でミドルシュートを放つと、ボールは名GKゾマーも棒立ちするしかない左上角の絶妙なコースに飛ぶ。しかし、ポストに弾かれてゴールネットは揺れなかった。
 
 これまでの2試合とは大きく異なるそのハイパフォーマンスに観衆も反応し、スタジアムでは「ポグバ! ポグバ!」のコールが巻き起こった。
 
 その後も積極的にボールを引き出し、ビルドアップ、崩し、フィニッシュと攻撃の全局面に絡む。過去2試合で2ゴール・1アシストと大活躍し、この日は温存されていたディミトリ・パイエに代わって、ポグバはフランス攻撃陣を牽引した。
 
 とりわけ圧巻だったのが、57分のプレーだ。敵陣中央の左寄りでボールを受けると、敵4人に囲まれながら巧みに身体を入れてボールをコントロールし、倒れ込みながら横パス。アントワーヌ・グリエーズマンのフィニッシュを引き出した。
 
【PHOTOギャラリー】ポグバが躍動するも、フランスはノーゴールでスイスと引き分ける

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