「目標はW杯優勝。もっともっと…」「長友は絶対必要」李忠成が森保Jを斬る!自身は参戦逃すも「全く後悔なし」嬉しかったザックの言葉

2025年02月12日 有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

メンバー発表の2日前ぐらいかな、通訳の矢野さんから電話が

新旧日本代表について熱く語った李氏。昔があって今がある――。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

【不屈のストライカー特別インタビュー(3回/全10回)】

 不屈の闘志で成り上がり、その左足で光と影を目定めた李忠成。ユニホームを脱いだ2023年9月からは新たなステージで挑戦を続けている。特別インタビューで胸の内に迫った。

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 現在39歳の李氏は、アルベルト・ザッケローニ監督が率いていた2011年から2012年にかけて日本代表でプレー。自身2キャップ目に当たるアジアカップ決勝、オーストラリア戦で奪った優勝に導くゴラッソは語り草だ。

 しかし、完全な代表定着は果たせず。サウサンプトンで出場機会を掴めなかったことなどが重なり、アジアカップから約3年後に開催されたブラジル・ワールドカップ(W杯)のメンバー入りを逃した。それだけに、「日本代表でのキャリアは不完全燃焼?」と尋ねると、予想とは違う答えが返ってきた。

「いや全くないです。プレミアで活躍できないフォワードがワールドカップの舞台に立つ意味がない。今も同じ思いです。全く後悔がないです。だけど、ザッケローニから電話がかかってきたのはすごく嬉しかったですね。メンバー発表の2日前ぐらいかな、通訳の矢野(大輔)さんから電話がかかってきて、『ザッケローニが話したい』と。『今回チュンソンのことを選べなかったけど、本当に今までありがとう』って電話をできる監督ってすごいなと思いましたね」
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 もっとも、ブラジルW杯を直視できるまでの精神状態にはなかったようだ。

「正直、自分の中で踏ん切りがついていましたけど、悔しくて見れなかったかな。やっぱ見たら悔しいから。本当見てなかったですね」

 ザックジャパンで共に戦った仲間では、1歳下で、アジアカップ決勝でのゴールをアシストした長友佑都が今も日本代表に名を連ねている。

「これまでのワールドカップで優勝できなかった悔しさを、直で伝えられる選手がチームの中に絶対に必要だと思うんです。試合に出られなくても、悔しさ、『絶対に優勝するんだ』ってものを、言葉で選手たちに伝えられる。初めてワールドカップに参加する選手たちもいるわけじゃないですか。そういった選手たちに植えつける役割は、彼にしかできない。

 プレーも、もちろんまだ動けていますし、良いですけど、それ以上に彼の価値は言葉にしっかり出して、日本代表に植えつける。今までやってきた過程を植えつけるというのが、彼にしかできない素晴らしい役割なんじゃないかなと思います」

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