【川崎】優勝から大きく遠のき、大久保は「プレッシャーに弱い」と嘆き節

2016年06月18日

「だけど、まだ(優勝の行方は)分からない。福岡がまたやってくれるかもしれない」

負傷欠場した中村に代わり、この日キャプテンマークを巻いた大久保。2試合連続のPK弾も、チームのパフォーマンスを嘆いた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

「今日はみんなが自信を持ってやっていなかった」
 
 そう吐き捨てたのは、負傷で欠場した中村に代わってキャプテンマークを巻いた大久保だ。地元福岡での試合で気迫が漲っていたものの、終わって見れば2-2の引き分け。2位の鹿島が逆転勝利を収めたなか、川崎は首位から陥落し、優勝から大きく遠のいた。
 
「サイドからあれだけチャンスを作って、クロスが合わないのは問題。結果論ですけど、みんなが自信なく見えた。今日は崩せる雰囲気がなかったし、すごく攻め急いでいた。焦ってしまったのもあったのかな。もったいないですね」
 
 開始9分、福岡に先制点を奪われて浮き足立った川崎は、続く15分にも失点。15分の時点で2点のビハインドを背負い、苦しい状況に追い込まれた。大久保は前線でボールを要求したものの、なかなかパスが届かず、前半はシュート1本のみに終わっている。
 
「プレッシャーに弱いんじゃないですか。やっていてすごく感じた」
 
 今節の結果次第では、第1ステージ優勝が決まるという状況だったが、大久保はチームの"異変"を誰よりも感じていた。不用意なミスが続いて2失点し、一方の攻撃は呼吸が合わないまま時間だけが経過。前半終了間際に小林が1点を返し、72分に大久保が2試合連続のPK弾を決めたが、反撃もここまでだった。
 
「(試合中)鹿島の結果は分からなかったけど、きっと鹿島が逆転しているんじゃないかなと思って。もうダメだなと」
 
 最終節、川崎はホームで大宮を迎え撃つ。かたや首位の鹿島はホームで福岡と対戦するなか、大久保やあえて余裕を醸し出すかのように、福岡にエールを送った。
 
「だけど、まだ(優勝の行方は)分からない。福岡がまたやってくれるかもしれない」
 
 そして、自身の経験と照らし合わせながら「残留争いのほうがきつい、マイナスだから。優勝争いはプラスしかないから」と前を向いた。この日、キャプテンマークを巻いた影響もあるのだろう。チームを鼓舞する言葉で締めくくった。
 
「まだ(優勝の可能性が)消滅したわけじゃない。俺たちは上手いんだぞと自信を持ってやりたい」
 
取材・文:大木 勇(サッカーダイジェスト編集部)
 
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